投資つれづれ

令和3年1月16日 バイデン次期大統領1.9兆ドル経済対策発表

おはようございます。バイデン次期大統領が、1.9兆ドルの新たな新型コロナ・ウィルス対策を発表しました。

1. 現金給付14万円

バイデン米次期大統領は14日、1.9兆ドル(約200兆円)の新たな新型コロナ・ウィルス対策案を発表。現金給付を1人当たりさらに1400ドル(約14万5000円)至急。失業手当の特例加算も9月まで延長。臨時の財政出動はトランプ政権から合計で6兆ドルに近づき、巨額の経済対策で経済再建を図ることとなります。

バイデン氏はデラウェア州のウィルミントンで演説して、「我々は今、行動しなければならない」としました。さらに、来月の上下院合同会議で第2弾のより広範な経済回復計画を公表するとしました。政権移行チームによると、同計画にはインフラや気候変動対策等、一段と長期的な開発目標受けの資金が含まれています。

 図表1 バイデン次期大統領

2. コロナ対策に巨額の財政出動

ワクチン配布など直接的なコロナ対策には4000億ドルを充てる予定。財政難の州・地方政府にも3500億ドルを支援して、5000億ドルは中小企業対策に充てます。連邦政府は時給7ドル25セントと定めていますが、15ドルに引き上げる案も盛り込みました。

米政権・議会は3月以降に、4回のコロナ対策を実施。20年12月末には9000億ドルの追加財政出動を行っており、対策規模は4兆ドルと、国内総生産(GDP)で20%前後に上っています。

令和3年1月12日 イーロン・マスク氏世界一の富豪に

おはようございます。イーロン・マスク氏が資産19兆円超と、世界一の富豪となりました。

1. 世界販売台数計画の50万台に迫る

先ず、テスラの業績を見ておきましょう。米テスラは2日、2020年の世界販売台数が49万9550台と、前年比+36%になったと発表。狩猟工場の稼働を2か月近く停止するなど、新型コロナ・ウィルスの感染拡大の影響がありましたが、年初の計画の50万台に迫る水準。

20年10-12月期の販売台数は、前年同期比+61%の18万570台と、四半期ベースで過去最高を記録。20には4-6月期の前年同期比マイナスとなったものの、年後半には盛り返して2四半期連続でプラス。

2. 株価の動き

ここで、テスラの株価の動きを見ておきましょう。同社の株価は、1月9日現在で880.02ドル。前日比+7.84%に上昇しました。時価総額は8,341億ドル(1ドル=104円で、約86.82兆円)。トヨタ(7203)は8日現在で、25.9兆円。トヨタの3倍以上の時価総額となりました。

 図表1 テスラ

3. イーロン・マスク氏が世界一の富豪に

テスラ株の株価の上昇により、主要株主であるマスク氏の資産が急拡大。米ニュース専門局のCNBCによると、マスク氏の推定保有資産額は1850億ドル(約19兆2000億円)。

テスラの株価を巡っては、いろいろと物議をかもしてきた同市ですが、同氏は宇宙開発の企業スペースX(SpaceX)の共同創業者も通止めています。テスラは電気自動車(EV)の販売を、中国をはじめとして伸ばしており、既存のメーカーも、中国などでEVの販売で競っています。

令和3年1月6日 日本の競争力ランキング

おはようございます。IMDが昨年6月に発表した「世界競争力年間」で、日本の競争力は34位となりました。

1. IMD「世界競争力年鑑」とは

IMF(International Institute for Management Development: 国際経営開発研究所)が作成する「世界競争力年鑑(World Competitiveness Yearbook)の2020年版が昨年6月に公表されました。

IMDの「世界競争力年鑑」は国の競争力に関する統計データと企業の経営層を対象とするアンケート結果を63か国(地域)から回収し、作成される競争力。アンケート調査により、統計では捉えきれない項目を補っています。

同年間では、全ての分野を合わせた競争力総合順位の他、4つの分類(経済状況、政府の効率性、ビジネスの効率性、インフラ)ごとの順位、更に各分類に含まれる小分類(計20個)の順位を公表しています。

2. 日本の順位が下落

同年鑑の2020年の総合順位は図表1の通り。1位シンガポール、2位デンマーク、3位スイスなど。日本は順位を4つ落として63カ国・地域で34位。アジア・太平洋地域でも14か国・地域中10位にとどまっています。

 図表1 IMD「世界競争力年鑑」2020年総合順位

日本の順位の変遷を見ると、同年鑑の公表が開始された1989年から1992年迄首位を維持。1996年までは5位以内の高い順位を保ちました。その後日本の金融システム機器などにより、1997年には17位に下落。その後は20位台の中盤前後で推移した後、19年には30位に転落し、20年には更に34位に低下。

今後、日本は世界的なIT化、DX化、脱炭素化の流れに、大きく出遅れる可能性が有ります。5Gに関しても、現状では韓国などに大きく出遅れています。日本の順位が今後大幅に低下するとすれば、投資の対象についても、考慮する必要があります。

令和3年1月5日 テスラEV販売+36%

明けまして、おめでとうございます。米テスラは2日、2020年の電気自動車販売台数が、前年比+36%になったと発表しました。

1. 世界販売台数計画の50万台に迫る

米テスラは2日、2020年の世界販売台数が49万9550台と、前年比+36%になったと発表。狩猟工場の稼働を2か月近く停止するなど、新型コロナ・ウィルスの感染拡大の影響がありましたが、年初の計画の50万台に迫る水準。 20年10-12月期の販売台数は、前年同期比+61%の18万570台と、四半期ベースで過去最高を記録。20には4-6月期の前年同期比マイナスとなったものの、年後半には盛り返して2四半期連続でプラス。 2. 株価の動き ここで、テスラの株価の動きを見ておきましょう。同社の株価は、1月1日現在で705.67ドル。昨年末比で約7倍に上昇しました。

 図表1 テスラ

同社の株価はPER、PBRなどの指標で見ると、割高であると言われてきました。アナリストの多くは同社の株価が割高であるとして、警戒を呼び掛けてきました。

同社の時価総額は12月31日現在で6,689億ドル(1ドル102.8円として、67兆9302億円)。対して日本の時価総額2位、世界では自動車業界の時価総額2位のトヨタ自動車は1月4日現在で25兆8690億円となっています。

昨年、テスラの株価がトヨタのそれを上回ったときには、世界中が驚きました。そして、テスラの株価は和真理に割高であるのでは、との議論がありました。

但、そもそも両者は自動車株と考えていいのかどうか。トヨタ自身、車からの脱皮を模索しています。テスラについても、電気自動車の販売台数は重要であるものの、同社はその先を見据えていると言えます。つまり、ソフトウェアの会社と見るべきかもしれません。

電気自動車、IT、DXなどについては、下記の通り、2月4日のセミナーでお話ししようと思います。請うご期待。

令和3年1月1日 新年を迎えて

明けまして、おめでとうございます。

1. 昨年の振り返り

2020年は、皆様にとってどのような年でしたでしょうか。昨年には、世界的な株価高となりました。世界の株式の時価総額は1年間で約15兆ドル増加。日経平均は約+16%の上昇となり、市場最高値となった1989年の38,915円以来、31年ぶりの高水準。上げ幅は2013年以来7年ぶりの伸びとなりました。

世界の株高を支えたのは、米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行など各国の中央銀行による大幅な金融緩和とそれに伴う大量の資金供給。金利も急低下したため、世界の機関投資家は債券での運用が困難になり、株式市場に大量の資金が流入することとなりました。

2. 資産の見直しをしよう

では、年初において何をすべきか、ということになりますが、是非ともやりたいのが資産の見直し。投資家の皆様は株式、債券、金などの商品、投資信託、不動産などを一般に所有していますが、それらの比率がどうなっているのか、リスクはどうか、今後の見通しはどうかなどを点検する必要があります。

特に、リスクの点検が重要です。以前、1989年末までの日本株が大幅に上昇していた時期においては、資産の大半を日本株およびその投資信託にしている方が多くいました。1990年初めからは、日経平均が急速に下落、また土地の価格も下落、金利も急低下しました。一方、1990年くらいに当時長期信用銀行の一部が販売していた「ワイド」を購入して、資産を高い金利に固定することに成功した投資家もいました。

1989年末に資産の大半を日本株あるいはその投資信託に投じていた人は、大きなリスクを取っていたことになります。現在も、不動産を除いた資産の大半を、日本株あるいはその投資信託で保有している投資家も多いと推量されます。また、債券を含めて、資産の大半を円で保有している人も多く見受けられます。そのような方は、是非、海外の株式、また国内外の不動産投資信託(REIT)への分散投資を考えていただきたいものです。

3. 日本のREITは日本の株価に出遅れ

ここで、日本のREIT(不動産投資信託)の値動きを見ておきましょう。東証REIT指数は19年12月の2145.49ポイントから3月19日には1455.53ポイントまで下落。1

2月30日には1783.90ポイントに回復したものの、概ね半値戻しの水準にとどまっており、年間で+16%となって日経平均などに対して、出遅れています。

 図表1 東証REIT指数

中央銀行による大量資金供給によって、米国の長期国債(10年国債)の利回りは、一時0.5%近辺まで低下。日本、欧州などもゼロ金利となっており、債券での運用が難しくなっています。今後は、REIT、あるいは高利回り社債、高利回りの株式などのニーズが高まる可能性が有ります。それらの点を考慮して、資産の分散を図っていきたいものです。

令和2年12月30日 2021年の展望

おはようございます。今年も残すところ、わずかとなりました。来年の事を言うと鬼に笑われるかもしれませんが、来年の展望をしてみましょう。

1. グロース株優位が継続か

2000年3月末にいわゆるITバブルが崩壊し、IT関連の銘柄の株価が大きく下落しました。同年3月末まではグロース株、即ち成長期待の大きい銘柄、いわゆるIT銘柄が株価を大きく伸ばしました。3月末になると、一転してそれらの銘柄が下落して、代わってバリュー株、即ち割安株が買われる展開となりました。

米国におけるバリュー株とグロース株の相対的な優位性を比較したのが図表1です。つまり、上に行くほどグロース株場相対的に買われており、逆に下に行くほどバリュー株が買われていることになります。

 図表1 ラッセル2000グロース指数/バリュー指数相対パフォーマンス

2000年3月末以降は、米国においてバリュー株優位の展開となっていましたが、2007年4月頃から、逆にグロース株優位の展開となっています。ところが、ことし12月入り、グロース株の上昇が頭打ちになり、逆にバリュー株が買われる展開となりました。日本では、バリュー株優位は短期間で終了した感もあります。

来年の予測は難しいのですが、米国においてもバリュー株物色が一巡すると、グロース株優位に戻る可能性が有ります。というのは、新型コロナ・ウィルスの感染は米国において当面続きそうであり、更に、リモートワークなど、IT化の波は、今後も続くと予想されるからです。したがって、米国においてもIT関連銘柄が一時的に弱含むことも考えられますが、押し目はむしろ買いの好機となる可能性もあります。

2. 中国など新興国株式市場は堅調か

今回の新型コロナ・ウィルスの感染拡大においては、中国の武漢が震源地となり、それが世界に拡散しました。中国は発生源となったものの、都市の封鎖などで抑え込みに成功し、景気も急激に回復。これにより、中国の株価も堅調

中国の代表的な株価指数の1つである上海総合指数を見ると、20年2月には新型コロナ・ウィルスの感染拡大により▲10%程度下落。但、その後は急速に反発して、12月28日には3,397ポイントまで上昇。昨年12月末の3,040ポイント近辺よりもかなり高い位置にあります。

 図表2 上海総合指数

また、インド、ブラジルなどの株式市場も、新型コロナ・ウィルスの感染拡大は止まっていないものの、このところ大きく上昇してきています。2021年においても、主要な新興国の株式市場は、堅調となる可能性が有ります。

令和2年12月25日 2021年びっくり予想

おはようございます。今年も残すところ、わずかとなりました。毎年この時期になると、金融機関などから翌年の「びっくり予想」が出されます。

1. 2021年びっくり予想

毎年この時期になると、金融機関などから翌年の「びっくり予想」が出されます。米国のバートン・ウィーン氏などの予想が有名ですが、私も独断と偏見で出してみます。通常「(*_*)予想」とは、確率としては30%程度だが、無視できないリスク要因、などと考えられています。

(1) 米S&P指数が+30%以上の大幅上昇

2020年における意外な出来事の1つに、米国株などが予想以上に上昇したことがあるでしょう。2021年も米連邦準備理事会(FRB)、欧州銀行(ECB)、日本銀行などの金融緩和が続き、米国株が大幅に上昇する可能性が有ります。米国の代表的な株価指数のS&P500指数は、2020年12月23日までの1年間で、約+14.48%の上昇。2020年には、さらに大きく上昇する可能性があります。

 図表1 米S&P500

(2) 米長期金利が大幅低下

米国長期金利、即ち10年国債の利回りは、24日19時(日本時間)現在で、0.946%と、歴史的低水準。21年には、FRBによる量的緩和継続、景気悪化などにより、長期金利がさらに低下する可能性があります。

(3) 新型コロナ・ウィルスの感染が拡大、景気低迷が継続

国際通貨基金(IMF)などの予測では、2020年には米欧日など先進国、あるいは新興国の大半で景気が大幅に落ち込むものの、21年には大幅に回復するとなっています。しかし、新型コロナ・ウィルスが、変種の登場などによりさらに拡大し、景気が更に落ち込む可能性が有ります。

(4) 原油価格大幅低下

原油価格は、代表的な指標である北海ブレントが2018年には1バレル=80ドルに上昇した後、20年3月には同20ドル台に低迷。その後は回復して、20年12月には概ね40ドル台となっています。

今後の代替エネルギー開発の進展、電気自動車の生産及び購入の拡大、米日欧などの脱二酸化炭素政策推進などにより、化石燃料の需要が大幅に低下する可能性が有ります。原油は21年には1バレル=30ドル、あるいはそれ以下に低下することも考えられます。

(5) 先進国を中心に物価が低迷

世界的に景気が悪化し、需要が減少。それに伴い、物価が低迷。日本では、マイナスの物価上昇率が定着。日銀は、ついに物価目標+2%を放棄。

(6) 雇用が大幅悪化

各国の景気対策、中央銀行の金融緩和継続などにも関わらず、雇用情勢が先進国などで大幅に悪化。特に若年層の失業率が悪化。それに伴い、貧富の格差が拡大。

(7) IT、DX関連企業に資金が集中

世界各国で景気の停滞が堅調となるものの、IT、DX(デジタル・トランスフォーメーション)への投資が加速。ユニコーン(非上場の有力企業)が多数生まれるほか、日米欧などの上場ハイテク企業の株価も大幅上昇。IT企業は、PER、PBRなどで見ると、割高感が高まる。

(8) 米トランプ大統領が影響力を保持

米トランプ大統領の2020年大統領選での敗北が決定。1月にはバイデン元副大統領が大統領に就任。但、トランプ氏の人気は根強く、上院では共和党が多数を占めたこともあり、共和党による民主党政権への抵抗が加速。トランプ氏は2024年大統領選出馬の準備を進める。

(9) 中国が電気自動車へのシフトを加速

技術的問題、価格の問題などにより、電気自動車とハイブリッド車への緩やかな移行が予想されていた中国が、突如2030年の販売における完全な電気自動車への移行を表明。日本の自車メーカーなどは、対応に追われる。

(10) テスラの時価総額が世界上位に食い込む

2020年には株価が大幅上昇したテスラ(ティッカー:tsla)が、更に上昇。NYダウにも採用され、世界の株式時価総額でも、上位5位以内に食い込む。

上記の予想がすべて当たると、かなりすごいことになります。何はともあれ、2021年が投資家の皆様にとって、よい年になることを祈念いたします。

令和2年12月23日 世界で脱酸素、デジタル化が加速

おはようございます。世界で脱炭素・デジタル化が加速しています。

1. 日本政府が予算案で成長戦略を提示

日本政府は21日の閣議で、一般会計106兆6097億円の2021年度予算案を決定。コロナ禍克服のために、成長戦略を重視。積極的な財政出動で景気を下支えする姿勢を示しました。

新型コロナ対策のために、構造転換を促す成長戦略を提示。脱炭素社会に向けた2兆円基金は、最大10年間にわたり水素や蓄電池などの開発を支援。21年9月にはデジタル庁を発足させるとしており、ポスト5Gや自治体のシステムの標準化を行うとしています。

但、米国などと比較すると投資金額が格段に少なく、日本政府が本気でデジタル化に取り組みかどうかについては、かなり疑問であると言えます。

2. バイデン氏は脱炭素へ210兆円投資

一方、次期大統領に確定したバイデン氏は、日本と同様に2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、原発をかつ供することも示唆。

4年で約210兆円の環境投資を行うとしており、電気自動車、再生エネルギー、水素などを促進。製造過程で二酸化炭素排出量が多い輸入品に対する課税も検討しています。

3. テスラ株S&P500に採用

18日の米価国株式市場では、テスラ株が過去最高となる1400億ドル(約14兆500億円)となりました。同社は米国の株式指数S&P500に組み入れられるために、インデックスファンドなどの買いが集まりました。

 図表1 テスラ(tsla)

21日のテスラの時価総額は6,160億ドル(約63.71兆円)。自動車業界2位、日本では製造業トップのトヨタは22日の時価総額が25.37兆円。もはや2倍以上の差が付きました。そもそも、テスラが自動車産業であるという認識自体に問題があるかもしれません。自動運転などに取り組む、情報産業と位置づけるべきかも知れません。

このほか、DX(デジタル・トランスフォーメーション)関連では、ズーム・ビデオ・コミュニケーション(ZM)も注目の的です。コロナ禍により、同社のビデオ会議のニーズが急増し、株価も急騰(図表2参照)。株価は年初来、一時7倍以上に上昇しました。

 図表1 ズーム・ビデオ・コミュニケーション(zm)

同社株は現在、PERが4,544倍、PBRが136.78倍です(21現在)。PERあるいはPBRといった従来の投資尺度で計ると、とても買える水準ではありません。ただ、日本国内の株式でいえば、医療関係のサイトの運営などを行うエムスリー(2413)の時価総額は6.242兆円、PBRは35.73倍です。今後は特に成長株については、単純にPERあるいはPBRで判断できない局面に入っていると言えるでしょう。

投資方針としては、引き続き脱酸素、DX関連などに注目したいところです。水素貯蔵、電池なども注目されていくでしょう。

令和2年12月15日 米国でファイザーのワクチン認可

おはようございます。バイデン氏が、米新大統領に確定しました。

1. 選挙人投票で過半数

14日に、米大統領選を選出するための手続きである投票が全米50州と首都ワシントンで行われました。民主党の元副大統領のジョー・バイデン氏(78)が当選に必要な538人の選挙人の過半数である270人を上回る、306人の選挙人を獲得。一方、ドナルド・トランプ氏は232人でした。

米連邦議会は、21年1月6日に、上下両院合同会議し開催して、選挙人の投票結果を集計することとなります。バイデン氏の勝利が確定し、第46代の大統領に選出される予定。

バイデン氏は地元東部デラウェア州での国民向けの演説に臨んで、「明確な勝利だ」とし、法定闘争を続けているトランプ氏に「彼が目指す道は立たれているとしました。また、改めて国民の融和を訴えました。

 写真1 ジョー・バイデン氏

2. バイデン氏の主な政策

ここで、バイデン新政権の主な政策を概観しておきましょう。まず環境とエネルギーに関しては、パリ協定への復帰を表明。2兆ドル(約210兆円)の気候変動対策、再生エネルギー投資を表明。

新型コロナ・ウィルス対策としては、同採択本部に第一線の科学者、専門家を招集。米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ署長も対策本部メンバーとして留任。

経済政策として、1.3兆ドル(約140兆円)のインフラ投資を予定。最低賃金を15ドル(約1600円)に引き上げ。富裕層と企業への課税強化など。

外交面では、イランに対する敵対的政策の変更、欧州など同盟国の重視、ロシア、中国への厳しい態度、といったことが予想されます。

特に、環境、エネルギー政策に関しては、トランプ大統領の石油業界寄りの姿勢から、環境巡視への転換が予想されます。シェブロンなど石油企業にとってはネガティブ、再生可能エネルギーの企業にとってはポジティブであると言えるでしょう。

令和2年12月15日 米国でファイザーのワクチン認可

おはようございます。米国でファイザーのワクチンが認可されました。

1. パンデミック終息への期待高まる

米政府は12日夜に、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナ・ウィルス・ワクチンの緊急使用許可を承認したと発表。出荷作業などの準備は進んでおり、全米でワクチンの接種が開始されることとなりました。米国では世界最多の感染が報告されていますが、ワクチンが承認されたことにより、パンデミック(世界的大流行)終息への期待が高まっています。但、米国では4割程度の人がワクチンを接種する意思がないとみられており、今後は接種率の向上が問題となります。

 図表1 ファイザー(PFE)

2. 英国で接種開始

一方、英国は8日に、新型コロナ・ウィルス感染症に対するワクチンの接種を開始。ワクチンは米国のファーザーとドイツの鼻音テックが共同で開発したもので、国民への大規模な供給は先進国では初めて。同じワクチンは日本にも供給される見込み。英国では、重症化しやすい80歳以上の高齢者の他、医療関係者が優先され、来年12月までに4000万回分(2回接種で2000万人分)の供給を受けて、英国国民の3割が摂取する予定。12月中に500万回分が供給されます。

3. 過度な期待は禁物

但、英国、米国ともに、国民の多くが摂取するには時間がかかり、また接種を拒否する人も相当数いると予想されます。終息への1つのきっかけとなる可能性が有りますが、過度な期待は禁物であると言えます。

令和2年12月4日 バイデン新大統領の政策に注目

おはようございます。バイデン米新大統領の掲げる政策に注目しましょう。

1. バイデン新大統領誕生へ

11月3日に行われた米大統領選の後、現トランプ大統領はあくまで当選について争う姿勢を崩していないようです。但、各地で起こした選挙無効の裁判では負け続けており、大統領選のために選ばれた選挙人が造反する可能性も低く、さらに司法長官も選挙に不正はなかったとしています。したがって、現時点でバイデン元副大統領が新大統領に就任する可能性は極めて高くなったと思われます。

相場の世界ではよく「国策に売りなし」と言われます。すなわちその時に政府、あるいは中央銀行の政策には素直に従って方が利益を上げる可能性が高いということです。ここで、トランプ大統領とバイデン新大統領の掲げる政策の違いを見ておきましょう。図表1の通り、バイデン氏はトランプ氏とはかなり対照的な政策を掲げていることがわかります。

 図表1 民主党バイデン氏と共和党トランプ氏の主な政策

2. コロナ対策を重視

米国では、新型コロナ・ウィスルの感染拡大が続いており、コロナ・ショックからの景気の立て直しが優先課題となっています。景気対策については、大統領選前に共和党が1兆円程度に抑制することを主張し、民主党は2兆ドル規模を主張していました。トランプ大統領も2兆ドル規模にしようと考えていましたが、調整がつかないまま大統領選に突入しました。

新型コロナ・ウィルス対策によりロック・ダウンされて需要が消失したことに対する補助金の支給、またその後に景気を軌道に乗せるための政策が焦点となります。

3. 環境重視

トランプ政権はパリ協定からの離脱を表明し、国内のシェール企業などを支援する姿勢をとっていました。これに対して、バイデン氏はパリ協定への復帰、環境重視の姿勢です。インフラなどへの投資に当たっては、特に代替エネルギー、即ち太陽光、風力発電、あるいは電気自動車関連などへの投資への補助を加速することと予想されます。

電気自動車関連では、例えば米国のテスラ(ティッカー:tsla)があります(図表2参照)。自動車産業では、嘗てはトヨタが時価総額で世界のトップでしたが、現在は完全にテスラの方が上回っています。株価もここ1年で約6倍になりました。

 図表2 テスラ(tsla)

また、代替エネルギー関連では、特に欧州が先行。特にデンマークでは、風力発電が盛んです。日本では、例えばレノバ(9519)などが注目されます。レノバは再生可能エネルギーの発電と運営が2本の柱。太陽光、風力、バイオマスなどに取り組んでいます。猶、このレポートでは、特定の銘柄の推奨を行うものではありません。

4. IT企業には規制も

バイデン政権はIT企業に対する規制を強める恐れがあります。NASDAQ市場を中心とするIT企業の活動が制約される可能性があります。特に「GAFA」と呼ばれるプラットフォーマーに対しては、独占禁止について民主党が法案を準備する動きがあります。今後は、M&Aによる規模拡大が困難になる可能性が有ります。

株式市場に対するその他の影響としては、ワクチンの開発、生産、配布への支援があります。ファイザー製薬などの臨床検査が進んでおり、英国政府はいち早く承認を表明しました。今後はより厳しいロック・ダウンの可能性もあります。

また、バイデン政権は、富裕層、大企業への増税を進める可能性もあります。但、上院は引き続き共和党が多数を占めると予想されます。今回大統領選で問題となったジョージア州上院選では、決着がつかず、来年1月に決選投票となります。また、上院の補欠選挙も同州で行われます。もし民主党が2議席とも占めると、上院では民主、共和党が50議席で並び、決選投票では副大統領のハリス氏が票を投じることとなります。但、2議席とも民主党が獲得する可能性は低いとみられており、議会と大統領とのねじれ関係は継続する見込みです。

したがって、大規模な増税の可能性が低く、株式市場としてはねじれの継続を期待する傾向にあります。

このように、バイデン新大統領の登場により、米国の政策は大きく変わるものと予想されます。特に代替エネルギー、電気自動車などは、引き続き注目を集める可能性があります。

令和2年12月2日 ニューフロンティアはどこか

おはようございます。現代におけるニューフロンティアはどこでしょうか。

1. 景気先行指数

日本では、景気の状況を示す指数として、3種類、28個の指数があります。3種類とは、先行指数、一致指数、遅行指数です。一致指数には企業の利益・生産、求人倍率などがあります。遅刻指数には、法人税収入や消費者物価指数などがあります。

一方、先行指数には機械受注、新規求人数などがあります。先行指数は、経済、株価、業績の予想などに用いられます。相場の世界ではよく「株価のことは株価に聞け」と言われますが、株価の動き自体が将来を予想しているという面があります。

では、株価自体の予想はどのようにすればいいのでしょうか。株価の動きは、先行指数にかなり一致していると見ることもできるので、先行指数を見ているだけで株価の予想ができるわけでもありません。

では、株価の予想はどのようにすればいいのでしょうか。

2. 「スマート・カンパニー50」

次に、MIT(マサーチューセッツ工科大学)は、2017年に「スマート・カンパニー50」を選定(図表1参照)。正確に言うとMITの所有会社が発行しているテクノロジー系の雑誌「MITテクノロジーレビュー」で発表されたものです。MITは技術系の大学では最高峰の1つですので、発表された銘柄は、高い技術を持っていると考えていいでしょう。

エヌビディアがトップになったことについては、驚きはありませんが、続く2位のスペースXについてはやや意外感があります。先日独自のロケットを発射したばかりであり、利益が出るのはまだ当分先であると思われます。

バイデン氏が獲得して選挙人がトランプ大統領のそれを大幅に上回っていたものの、大統領は敗北を認めていません。ただ、政権移行の手続きが開始されることとなり、政治の不透明感が後退し、市場がそれを好感しました。

 図表1 MITが選んでトップ10企業

また、国別で見ると、米国が圧倒的であり、続いて中国。この両国が軍事、貿易、技術など様々な分野で競っていることがうかがえます。

因みに、「スマート・カンパニー50」には、日本企業は1社も含まれていません。世界の時価総額、つまり株価*発行済み株式総数ではトヨタが10月末で49位。但トヨタは今年7月末には上位50位から滑り落ちていました。

また、上位10位以内には、バイオ関連も多く含まれています。したがって、今後は半導体、宇宙関連、バイオなどが先端の技術として注目されるかもしれません。

雇用な先端技術がニューフロンティア(新たな開拓線)であり、上記のような企業が今後、注目される可能性が有ります。日本企業はこれらの先端技術で遅れています。ITあるいはDX関連なども、米国、あるいは中国の企業に注目する必要があると言えるでしょう。

令和2年11月27日 NYダウ3万ドル到達

おはようございます。NYダウが初の3万ドル台に到達しました。

1. 米政権移行、ワクチン開発を好感

米国では24日のNY株式市場で、ダウ工業30種平均が史上初めて3万ドルの大台に乗りましたす(図表1参照)。米政権の意向作業が始まったこと、また新型コロナ・ウィルスのワクチンの認可が下りるとの期待感の高まりなどが、直接的な要因と考えられます。日本、欧州など主要市場の株価も軒並み上昇しており、世界的な株高の様相となっています。

24日のNYダウの終値は前日比+454.97ドルの30,046.24ドル。11月3日に行われた米大統領選で、バイデン氏が獲得して選挙人がトランプ大統領のそれを大幅に上回っていたものの、大統領は敗北を認めていません。ただ、政権移行の手続きが開始されることとなり、政治の不透明感が後退し、市場がそれを好感しました。

 図表1 NYダウ

2. 上位銘柄は大きく変化

また、上位銘柄も大きく変化。ダウが1万ドルに達したのは1999年3月でした。この時の時価総額上位はマイクロソフト、GE、ウォルマートなどが占めています。このうち、GEは現在、ダウ銘柄から外れています。(図表2参照)。また、ファイザー、エクソンモービルも今年8月31日にはダウから除外されました。



 図表2 ダウ平均節目の時価総額上位銘柄

これらのいわば古き良き時代の米国を代表する銘柄に代わって、現在の主役となっている銘柄がアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、フェイスブックなどのIT銘柄。これらの銘柄は通商「GAFAM」と呼ばれており、時価総額の合計は日本の東証1部の時価総額の合計を上回っています。

「新型コロナ・ウィルスの感染拡大により、実体経済が必ずしも良くないのに、なぜ株価だけが上がるのか」との疑問が呈されることもあります。米国あるいは日本などのこのところの株価上昇は、ワクチンの開発などにより、コロナが収束した後の世界経済を反映していると見ることもできます。

また、NYダウが8月に新たにセールスフォースを採用したことに見られる通り、今後もDX(デジタル・トランスフォーメーション)関連が相場の中心となることも考えられます。日本でもこのところ、日経平均あるいはTOPIXが29年ぶりの高値更新となっています。但、構成銘柄、技術力、革新力などを考えると、日本よりも米国の株価の上昇の率が高くなる可能性もあります。さらに、投資家がこのところリスク・テイクの姿勢を強めていることから、出遅れているインドなど新興国の株式市場も活況を呈してくる可能性が有ります。

令和2年11月13日 格差は是正されるか

おはようございます。世界各地で反エリート主義、あるいは自国第一主義が目立ちますが、その背景賭して、各国における格差の拡大、それによる政治への不満、怒りがあると考えられます。今後、格差は是正されることになるのでしょうか。

1. 米大統領選でバイデン氏勝利宣言

米国では11月3日に米大統領選挙の投票が行われました。新型コロナ・ウィルスの感染閣外もあり、事前の投票は1億人を超えたと推定されています。郵便投票の主計を巡っては大混乱。トランプ大統領は「選挙に不正がある。主計を止めよ」などと根拠のない発言を繰り返しました。集計が進み、日本時間8日18人現在でバイデン元副大統領が選挙人290人を獲得。トランプ大統領が214人となり大差となりました。

今回の大統領選では、トラン支持対反トランプの動きが報道されてきましたが、根底には経済発展から取り残された人々の反発、不信、怒りなどがあったと考えられます。4年前の大統領選では、いわゆる「ラストベルト」と呼ばれる中西部の炭鉱、あるいは製造業猶が衰退した州において、トランプ氏が大きく支持を集め、同氏の当選への原動力になったと考えられます。

そこで、米国だけでなく、欧州、新興国などを含めて、格差はそもそもあるのか、それに対して政治は同抬頭するのか、ということが投資を行う上で重要な点になると考えられます。

2. 格差はあるのか、拡大してきたのか

そもそも格差はあるのか、また拡大してきたのか、という疑問があります。格差に関してよく言われるのが、エレファントカーブです。大和総研18年10月の資料を参考にさせて貰うと、ブランコ・ミラノヴッチ(2017)は、1988〜2008年の世帯1人あたり実質所得について、グローバルな所得格差を提示。世界の貧困層から超富裕層を所得階層別に左から横軸に並べ、88〜08年の実質所得の累積増加率を縦軸に示し、その推移が像のシルエットの二用に見えることにより、エレファントカーブと呼ばれます(図表1参照)。

 図表1 エレファントカーブ

つまり、図の右端のように、先進国のごく一部の超富裕層が所得を伸ばし、像の真ん中の背中の部分、即ち新興国の所得も増加。これに対して、OCED(経済協力開発機構)、即ち先進国の中間層、あるいは下位の所得層は所得が全く増加していないことがわかります。

今回の大統領選でも、こういった中間層あるいは下位の所得層の怒りが、米国の大きな分断の一因となった可能性があります。フランスにおいて嘗て盛んとなって「黄色のベスト運動」における中間層の反発も、根本的な問題は同様であると推察できます。

2.ジニ係数が上昇傾向

また、各国のジニ係数も上昇傾向にあります。ジニ係数とは、社会における所得の不病棟差を計測する指数。ローレンツ曲線を基に、1936年にイタリアの統計学者コッラド・ジニにより考案されました。

まず、米国のジニ係数を見ると、上昇傾向にあることがわかります(図表2参照)。

 図表2 米国ジニ係数

また、英国においても同様(図表3参照)。このほか、日本、ドイツなどでも拡大傾向にあり、フランスはほぼ横這いとなっています。北欧諸国などではあまり大きな上昇は見られないものの、世界全体としては拡大の傾向にあります。

 図表3 英国ジニ係数

3.所得格差拡大の要因分解

一方、所得格差の要因分解については、国際通貨基金(IMF、2007)は1981〜2003年までの先進21か国、新興国31か国の合計51か国のデータにより、グローバル化(輸出、対内外直接投資、関税自由化など)、技術革新、教育などの要因がジニ係数に与えた要因を分析。まず世界全体としては、グローバリゼーションの影響は小さく、技術革新の影響が大きいとしています(図表4参照)

 図表4 所得格差要因分解

次に先進国を見ると、グローバリゼーションの影響の方が技術革新よりも少し大きいとしています。は小さく、技術革新の影響が大きいとしています(図表4参照)。特に対内直接投資が所得格差拡大に寄与したとしています。

 図表5 所得格差要因分解(先進国)

続いて新興国を見ると、グローバリゼーションはマイナスの寄与であるとして、技術革新の影響が大きいとしています(図表5参照)。但、中国とインドを除く新興国の中には所得格差が安定している国もあり、全体としては、所得格差は緩やかな拡大にとどまっているとしています。

 図表6 所得格差要因分解(新興国)

4.所得格差は縮小するか

このように、世界全体としては、所得格差が拡大する傾向にあるものの、その要因は先進国と新興国で異なっており、更に、国によっても異なっています。したがって、政治がそれに対応するのは難しく今後も格差が拡大する可能性が有ると予想できます。

また、企業間格差も拡大する可能性があります。今年は2月以降、新型コロナ・ウィルスの感染拡大もあり、ハイテク企業、DX関連企業、巣ごもり関連企業などの銘柄が買われる傾向にあります。

米大統領選の結果を受けて、これらの銘柄への買い付けは一服する動きもありました。但、今後もDX(デジタル・トランスフォーメーション)の流れは変わらないとみられます。投資に当たっては、長期の視点が重要になると考えられます。

令和2年11月13日 米大統領選バイデン氏当選へ

米大統領選で、バイデン元副大統領が当選に大きく前進しました。

1. 米大統領選でバイデン氏勝利宣言

米国では11月3日に米大統領選挙の投票が行われました。新型コロナ・ウィルスの感染閣外もあり、事前の投票は1億人を超えたと推定されています。郵便投票の主計を巡っては大混乱。トランプ大統領は「選挙に不正がある。主計を止めよ」などと根拠のない発言を繰り返しました。集計が進み、日本時間8日18人現在でバイデン元副大統領が選挙人290人を獲得。トランプ大統領が214人となり大佐となりました。

今後、トランプ大統領は再集計を要求し、また法廷闘争も辞さない構え。例えば、ウィスコンシン州では、得票率が1%ポイント又は4000票以下であれば、再集計の申し立てができます。同州は、開票率99%時点で、得票率差は0.6%ポイントとなっています。

2. 米国株式市場の動き

ここ米国の株式市場の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるNYダウはバイデン元副大統領の当選を見越して上昇して、その後は一服(図表1参照)。
 図表1 米NYダウ

議会選においては、下院は引き続き民主党が多数を占める見込み。上院においては、ジョー氏ア州において、2議席が来年に決まる見込みであることなどから、現時点では、共和党、民主党とも過半数を占めるに至っていません。もし、50議席ずつで同数となれば、決選投票の時には、副大統領が一票を投じることになります。

令和2年11月2日 米大統領選の展望

おはようございます。当面の市場の注目点は、米大統領選です。

1. 米大統領選に注目

世界の株式市場の目下の注目点は、米大統領選であると言えるでしょう。現在、民主党候補のバイデン氏が現職のトランプ大統領に対して、全米では+8%ポイントほどのリードとなっています。但、毎回民主党、共和党のどちらの票田になるかが注目されるフロリダ、ウィスコンシンなどでは差はわずかであるとの報道もあり、予断を許しません。

外交面では、トランプ大統領が当選すれば、引き続き西欧など同盟国と重視、イスラエルを重視する政策を推進するとみられます。エネルギー産業については、パリ協定からの離脱、石油業界寄りの政策を継続するとみられます。

民主党のバイデン氏が当選すれば、程逆の動きとなると予想されます。エネルギーについては、パリ協定に復帰、代替エネルギーの推進などが予想されます。

2. 米国株式市場の動き

ここ米国の株式市場の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるNYダウはこのところ軟調な動き(図表1参照)。
 図表1 テスラ(TSLA)

上記の通り、大統領選において、民主党のバイデン氏、また共和党のトランプ大統領のいずれが勝利するか予断を許しません。但、大統領選終了とには、材料の出尽くし感から、株価が上昇する可能性もあります。

令和2年10月30日 時価総額の逆転

おはようございます。多くの業界で、時価総額の逆転、あるいは急接近が起きています。

1. テスラがトヨタを逆転

景気の動きを示す指標のうち、実体経済に先んじるものを先行指標と言います。日本の内閣府が発表するものの代表的な先行指数としては、東証株価指数、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度、日経商品指数などがあります。その意味において、株価は今後の経済を占ううえで重要な要素であるといえます。

最近話題になった例としては、日本のトヨタを米テスラモーターが逆転したことがあります。29日現在では、トヨタの時価総額が22.57兆円、テスラが(ティッカーコード:TSLA)が3,848億ドル、即ち1ドル=104.4円とすると40.17兆円です。

テスラがトヨタを時価総額で逆転したのは、7月1日で、このときテスラは2,076億ドル(約22兆円)2019年末比では約2.7倍となりました。現在、株価は406.02ドル(29日14時20分現在)で、7月初めから見ても既に約2倍になっています。

 図表1 テスラ(TSLA)

エネルギーで見ると、米再生エネルギーのネクステラ・エナジー(NEE)が、29日現在で時価総額1,458億ドル(約15.22兆円)、米石油大手のエクソン・モービル(XOM)が1,334億ドル(約13.93兆円)と逆転しています。

また、金融では、JPモルガン・チェースが時価総額2,942億ドル(約30.72兆円)に対して、ペイパルが2,256億ドル(約23.55兆円)と、接近しつつあります。

2. DX、環境重視へ

このように、自動車、エネルギー、金融、など多くの分野で株価の逆転現象が起きており、世の中の地殻変動が起こっていることがわかります。全体としては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展、環境の重視といったことが背景としてあります。

世の中のデジタル化が進むと、インターネットにおける決済、署名などが盛んとなり、従来の銀行業はその存続意義を問われることとなってきます。株価もそれを反映しています。

エネルギーの分野においては、パリ条約を初めとして脱二酸化炭素の方向に進みつつあり、従来の関裕産業などは厳しい立場に置かれています。逆に、電気自動車のテスラ、あるいは再生エネルギーの会社などは有望視されるこことなります。

世界全体がSDG(持続的可能な成長)を重視することとなり、企業経営においてはESG(環境、社会、企業統治)が重視され、銘柄選択もそれにより大きな影響を受けることとなります。今後は、これらの観点を重視して投資することがますます重要になってくるでしょう。

令和2年10月25日 いでや投資を始めては

おはようございます。徒然には「いでや、この世に生まれては」との章がありますが、投資をするにあたっては、望むこととは何でしょうか。

1. 徒然草における望ましいこと

「いでや、この世に生まれては」の章においては、「いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かめれ」としています。最初に「帝の御位」を挙げて、「法師ばかりうらやましからぬものはあらじ」とし、先ず、人々が地位を問題にしていると指摘しています。

続いて、容姿が重要であるとし、さらに「文の道、作文、和歌、管弦の道」の重要性を説き、最後には「下戸ならぬこそ、男はよけれ」としています。作者の意図としては、地位などの外見的なものよりも、内面的なもの、即ち教養が重要であると言いたかったのではないでしょうか。

これを投資に当てはめれば、投資をする目的は何なのか、一定の知識を持って投資をおこなっているのか、ということが重要になると言えるでしょう。

2. 投資の目的

では、投資を行っている人たちは、どのような目的で行っているのでしょうか。現在投資信託を保有している層で見ると、「老後の生活資金」50.1%、「資産のリスク分散」24.8%などと、優等生的な回答。但、「目的はないが資金を増やしたい」が18.0%と少し高いのが気になります。

一方、別の調査では、貯金の目的について聞くと、「いざという時の備え」が71%、そのうち「貯金だけ」という人が61%に上っています。日本人全体では、まだまだいざという時のために漠然と貯金する、あるいは保険にはいるという人が多数派であることが見て取れます。

 図表1 投資信託購入の目的

投資をする目的としては、「老後など将来に備えて資産を増やすため」といった目的が上位に来るのは当然であると言えるでしょう。それと同時に、「投資している企業を応援したい」「ESGなどを通じて、社会を変革したい」といった目的があってもいいのではないでしょうか。ESGについては、別に機会に述べたいと思います。

令和2年10月23日 日本は何位か

おはようございます。日本は世界で何位でしょうか。

1. 1人あたり名目GDP

「日本は世界で何位ですか」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。「世界3位に決まっているじゃないか」との答えもあるかもしれませんが、それは国の総額としてのGDP、即ち国内総生産になります。国力を図る尺度としてはある程度適当であるかもしれませんが、豊かさを図るには、1人当たりGDPも見ておく必要があります。

IMF(国際通貨基金)の2020年10月のデータによると、日本は25位で40,256ドル(図表1参照)。ちなみに1位はルクセンブルクで115,839ドル、2位はスイスで82,484ドルなど。因みに米国は65,254ドル。アジアでは、マカオが4位で79,251ドル、シンガポールが8位で65,234ドル、香港が16位で48,624ドルと、日本よりも上に来ています。

 図表1 1人当たり名目GDP順位(2019年)

2. 世帯当たり純資産では上位に食い込む

では、世帯当たり純資産ではどうでしょうか。OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表した「よりよい暮らし指標」による「世帯平均純資産」を見ましょう。当時の加盟国は36か国で、但この統計には18年7月加盟のリトアニアは含まず、未承認の南ア、ロシア、ブラジルは含まれています(図表2参照)。

日本は4位で40,256ドルと健闘(図表1参照)。ちなみに1位は米国で176,076ドル、2位はスイスで128,415ドル、3位はベルギーで104,084ドル。アジアでは、韓国が21位で33,405ドル。図表1の通り、所得に面では日本は後退しつつありますが、純資産(不動産を除く)では、まずまずの水準であると言えます。

 図表2 1世帯当たり純資産順位

3. 大学の順位

では、大学の順位についてはどうでしょうか。大学の評価機関としては、タイムズ・ハイアー・エデュケーション(Times Higher Education)が最も有名。9月3日に、「TEH世界大学ランキング2021」を発表。英国のオックスフォード大学が1位を維持したほか、英国では、順位を落としたもののケンブリッジ大学が6位に入りました。2位が米国のスタンフォード大学、3位が米国のハーバード大学など。

日本では、東京大学が36位タイとなったほか、京都大学が11位上昇して54位タイ。アジアからは、中国の清華大学が20位タイとなり、2011年に現在の評価方法に変更して以来初のトップ20入り。中国では復旦大学が70位にはいるなど、順位を上げつつあります。

 図表3 世界大学ランキング2021

4. その他の順位

そのほか、スイスのIMFが発表している国際競争力の順位などがあり、日本は後退する傾向にあります。また、世界の年金システムのランキングとしては、「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」があり、2019年度においては、1位がオランダ、2位がデンマークとなっており、日本は31位に留まりました。

こうした順位は、国際分散投資を行う上で参考になります。日本の1人当たりGDPが今後大幅に伸びるとは考えにくく、ますます資産運用の必要性が高まっていると言えるでしょう。

令和2年10月22日 グロース株優位継続か

おはようございます。世界の株式市場で、グロース株優位の展開が継続する可能性があります。

1. 米ナスダック市場が大幅上昇

2020年の世界の株式市場を振り返ると、1月には比較的堅調であったものの、2月以降、新型コロナ・ウィルス感染などにより、日米欧など先進国の株式市場は大幅下落。但、その後は米連邦準備理事会(FRB)などによる大幅金融緩和により、世界の株式市場は大きく持ち直しました。

中でも大きく上昇したのが米ナスダック市場。その主な銘柄で構成されるナスダック100指数は、米S&P100、あるいは日本のTOPIXなどを大幅に上回る上昇となりました(図表1参照)。

 図表1 国株式と日本株式相対推移(2019年10初=100)

米ナスダック市場が大幅に上昇したわけですが、その中でも代表的な銘柄で構成するナスダック100指数が大幅情報。同指数はITを中心として、いわゆるグロース株が中心となっています。

2. グロース株優位の展開継続か

上記の図表1はここ1年の動きですが、リーマン・ショック以降、バリュー株、即ちPER(株か収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標で見て割安な株式よりも、グロース株、つまり高い成長が期待される株式が相対的に大きく値上がりしています。

このところ、新型コロナ・ウィルス感染の影響により、一部の成長する株式と、それ以外の下落する株式の差が大きくなっています。例えば、米ズーム・コミュニケーション、あるいはテスラモーターが大幅に上昇する一方、BP、エクソンなど石油株は大幅に下落しました。当面、金融緩和が続く可能性が高いことから、このようなグロース株の優位は継続するものと予想されます。

令和2年10月18日 DX新時代

「DX」という言葉が最近よく聞かれますが、投資に当たってはDXをどのように考えるべきでしょうか。

1. 投資のテーマDX

最近、新聞、テレビ、インターネット、書籍などで、「DX」という言葉を聞くことが多くなりました。DX、即ちデジタルトランスフォーメーションとは、単なるデジタル化ではなく、「企業がデータやデジタル技術を活用して、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」と定義することができます。

DXとは、ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革することです。その目的は、「企業の競争融資性を確立すること」(経済産業省「DX推進ガイドラインVer.1.0(平成30年12月)であると言えます。

2. SaaS

その中でも、注目されているのがSaaS(サース)という技術です。SaaSとは、クラウド上によるソフトウェアを、ネット経由で使いたいときに使いたいだけ利用するための技術です。

SaaSの体表的な企業としては、セールスフォース・ドットコム(ティッカーコード:CRM)があります。同社の株価は、リーマンショック後に約55倍になりました。

 図表1 セールスフォース・ドットコム(CRM)

同社は法人向けのクラウド型CRM(顧客管理)ソリューションを提供し、業務アプリケーションをクラウド上で企業に提供。

20年5-7月期には、売上高が前年同期比3割増、最終利益が同29倍という驚異的な伸びを見せました。同社はこの程ダウ工業30種にも採用され、いわゆるGAFAM(グーグル、アップル、ファイスブック、アマゾン、マイクロソフト)を追いかける存在となっています。

猶、この資料は、特定の銘柄を推奨するためのものではなく、投資は自己責任で行っていただくようお願いします。

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令和2年10月15日 投資の尺度

おはようございます。投資の尺度について考えてみましょう。

1. PER、PBRなどの尺度は有効か

従来の日本、あるいは世界の株式市場では、主にPER、あるいはPBRなどの指標が投資の尺度として用いられてきました。1989年ころの日本株市場では、東京湾沿岸に土地を持つ株などが高値まで買われ、PER、PBRなどで見て割高で七位かとの議論がありました。

PER(株価収益率)とは1株当たり利益の何倍まで株価が買われているかということであり、PBR(株価純資産倍率)とは、1株当たりの純資産の何倍迄買われているかということです。似たような尺度としては、PCFR(キャッシュフロー倍率)などもあります。すなわち、PER、PBRなどが高くなると割高であるとされ、逆に低いと割安である、株価が出遅れているとされてきました。

特に、こういった尺度は、同じ業界の株価を比較するときには有効であるとされてきました。例えば、電力であれば東電、中部電、関電をPER、PBRなどで比較します。電気機械であれば、同様に日立、東芝、三菱電機などを比較します。また、業種間の比較にも用いられてきました。

2. 自動車会社の時価総額

ここで、主要な自動車会社の時価総額を見ておきましょう。代表的な自動車会社として、トヨタ、フォルクスワーゲン、テスラモータを挙げました。トヨタとフォルクスワーゲンは自動車の生産で世界のトップレベルであり、テスラは電気自動車で優位にあります。

2020年には、米電機自動車メーカー大手のテスラモータの株価が一時2105億ドル(約22兆6000億円)となりました。日本市場の1日終値ベースで、トヨタは21兆7185兆円であり、テスラが時価総額でトップに躍り出ました。

 図表1 主な自動車会社の時価総額とPER

ここで、10月14日現在のトヨタ、VW、テスラの時価総額(株価*発行済み株式総数)を見ると、図表1の通り。テスラのPERは957.68倍で、トヨタの22.62倍、あるいはVWの14.07倍よりもはるかに高く、まさに天文学的な数字です。

テスラの株価が上がるたび、主要なアナリストは「株価が割高だ」と主張しました。しかし、同社の株価は上がり続け、ついに自動車業界のトップに躍り出ました。

テスラは、電気自動車生産台数ではトップであり、特に中国での伸びが期待されています。自動運転の技術も高く評価されています。そうなると、従来のPER、あるいはPBEという投資尺度が有効なのかどうか、再考する必要があると言えるでしょう。

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10月9日(金)に、セミナー「 家計の見直し〜将来のリスクに備えましょう 」を開催。9名の方にご参加いただきました。

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令和2年10月14日 投資つれづれ開始

兼好法師、即ち吉田兼好は、徒然草の冒頭で、

「つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」

日本には、素晴らし古典がたくさんありますが、この「徒然草」は、私の最も好きな古典の1つです。

そこで、兼好法師に肖って、私も気の赴くままに、主に投資について語っていこうと思います。

兼好法師の魅力は何でしょうか。それは矛盾した記述が多いことでしょう。矛盾により笑いが生まれます。

したがって、このコラムでも、矛盾したことを書くこともあるかもしれません。

題材、対象とする範囲は厳格には決めず、投資をする上で役立つ情報を提供しようと思います。 そして、「投資道」を確立し、読者の皆様の指針となることを目指していきます。

令和2年12月15日 米国でファイザーのワクチン認可

おはようございます。バイデン氏が、米新大統領に確定しました。

1. 選挙人投票で過半数

14日に、米大統領選を選出するための手続きである投票が全米50州と首都ワシントンで行われました。民主党の元副大統領のジョー・バイデン氏(78)が当選に必要な538人の選挙人の過半数である270人を上回る、306人の選挙人を獲得。一方、ドナルド・トランプ氏は232人でした。

米連邦議会は、21年1月6日に、上下両院合同会議し開催して、選挙人の投票結果を集計することとなります。バイデン氏の勝利が確定し、第46代の大統領に選出される予定。

バイデン氏は地元東部デラウェア州での国民向けの演説に臨んで、「明確な勝利だ」とし、法定闘争を続けているトランプ氏に「彼が目指す道は立たれているとしました。また、改めて国民の融和を訴えました。

 写真1 ジョー・バイデン氏

2. バイデン氏の主な政策

ここで、バイデン新政権の主な政策を概観しておきましょう。まず環境とエネルギーに関しては、パリ協定への復帰を表明。2兆ドル(約210兆円)の気候変動対策、再生エネルギー投資を表明。

新型コロナ・ウィルス対策としては、同採択本部に第一線の科学者、専門家を招集。米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ署長も対策本部メンバーとして留任。

経済政策として、1.3兆ドル(約140兆円)のインフラ投資を予定。最低賃金を15ドル(約1600円)に引き上げ。富裕層と企業への課税強化など。

外交面では、イランに対する敵対的政策の変更、欧州など同盟国の重視、ロシア、中国への厳しい態度、といったことが予想されます。

特に、環境、エネルギー政策に関しては、トランプ大統領の石油業界寄りの姿勢から、環境巡視への転換が予想されます。シェブロンなど石油企業にとってはネガティブ、再生可能エネルギーの企業にとってはポジティブであると言えるでしょう。

令和2年12月15日 米国でファイザーのワクチン認可

おはようございます。米国でファイザーのワクチンが認可されました。

1. パンデミック終息への期待高まる

米政府は12日夜に、米製薬大手ファイザーなどが開発する新型コロナ・ウィルス・ワクチンの緊急使用許可を承認したと発表。出荷作業などの準備は進んでおり、全米でワクチンの接種が開始されることとなりました。米国では世界最多の感染が報告されていますが、ワクチンが承認されたことにより、パンデミック(世界的大流行)終息への期待が高まっています。但、米国では4割程度の人がワクチンを接種する意思がないとみられており、今後は接種率の向上が問題となります。

 図表1 ファイザー(PFE)

2. 英国で接種開始

一方、英国は8日に、新型コロナ・ウィルス感染症に対するワクチンの接種を開始。ワクチンは米国のファーザーとドイツの鼻音テックが共同で開発したもので、国民への大規模な供給は先進国では初めて。同じワクチンは日本にも供給される見込み。英国では、重症化しやすい80歳以上の高齢者の他、医療関係者が優先され、来年12月までに4000万回分(2回接種で2000万人分)の供給を受けて、英国国民の3割が摂取する予定。12月中に500万回分が供給されます。

3. 過度な期待は禁物

但、英国、米国ともに、国民の多くが摂取するには時間がかかり、また接種を拒否する人も相当数いると予想されます。終息への1つのきっかけとなる可能性が有りますが、過度な期待は禁物であると言えます。

令和2年12月4日 バイデン新大統領の政策に注目

おはようございます。バイデン米新大統領の掲げる政策に注目しましょう。

1. バイデン新大統領誕生へ

11月3日に行われた米大統領選の後、現トランプ大統領はあくまで当選について争う姿勢を崩していないようです。但、各地で起こした選挙無効の裁判では負け続けており、大統領選のために選ばれた選挙人が造反する可能性も低く、さらに司法長官も選挙に不正はなかったとしています。したがって、現時点でバイデン元副大統領が新大統領に就任する可能性は極めて高くなったと思われます。

相場の世界ではよく「国策に売りなし」と言われます。すなわちその時に政府、あるいは中央銀行の政策には素直に従って方が利益を上げる可能性が高いということです。ここで、トランプ大統領とバイデン新大統領の掲げる政策の違いを見ておきましょう。図表1の通り、バイデン氏はトランプ氏とはかなり対照的な政策を掲げていることがわかります。

 図表1 民主党バイデン氏と共和党トランプ氏の主な政策

2. コロナ対策を重視

米国では、新型コロナ・ウィスルの感染拡大が続いており、コロナ・ショックからの景気の立て直しが優先課題となっています。景気対策については、大統領選前に共和党が1兆円程度に抑制することを主張し、民主党は2兆ドル規模を主張していました。トランプ大統領も2兆ドル規模にしようと考えていましたが、調整がつかないまま大統領選に突入しました。

新型コロナ・ウィルス対策によりロック・ダウンされて需要が消失したことに対する補助金の支給、またその後に景気を軌道に乗せるための政策が焦点となります。

3. 環境重視

トランプ政権はパリ協定からの離脱を表明し、国内のシェール企業などを支援する姿勢をとっていました。これに対して、バイデン氏はパリ協定への復帰、環境重視の姿勢です。インフラなどへの投資に当たっては、特に代替エネルギー、即ち太陽光、風力発電、あるいは電気自動車関連などへの投資への補助を加速することと予想されます。

電気自動車関連では、例えば米国のテスラ(ティッカー:tsla)があります(図表2参照)。自動車産業では、嘗てはトヨタが時価総額で世界のトップでしたが、現在は完全にテスラの方が上回っています。株価もここ1年で約6倍になりました。

 図表2 テスラ(tsla)

また、代替エネルギー関連では、特に欧州が先行。特にデンマークでは、風力発電が盛んです。日本では、例えばレノバ(9519)などが注目されます。レノバは再生可能エネルギーの発電と運営が2本の柱。太陽光、風力、バイオマスなどに取り組んでいます。猶、このレポートでは、特定の銘柄の推奨を行うものではありません。

4. IT企業には規制も

バイデン政権はIT企業に対する規制を強める恐れがあります。NASDAQ市場を中心とするIT企業の活動が制約される可能性があります。特に「GAFA」と呼ばれるプラットフォーマーに対しては、独占禁止について民主党が法案を準備する動きがあります。今後は、M&Aによる規模拡大が困難になる可能性が有ります。

株式市場に対するその他の影響としては、ワクチンの開発、生産、配布への支援があります。ファイザー製薬などの臨床検査が進んでおり、英国政府はいち早く承認を表明しました。今後はより厳しいロック・ダウンの可能性もあります。

また、バイデン政権は、富裕層、大企業への増税を進める可能性もあります。但、上院は引き続き共和党が多数を占めると予想されます。今回大統領選で問題となったジョージア州上院選では、決着がつかず、来年1月に決選投票となります。また、上院の補欠選挙も同州で行われます。もし民主党が2議席とも占めると、上院では民主、共和党が50議席で並び、決選投票では副大統領のハリス氏が票を投じることとなります。但、2議席とも民主党が獲得する可能性は低いとみられており、議会と大統領とのねじれ関係は継続する見込みです。

したがって、大規模な増税の可能性が低く、株式市場としてはねじれの継続を期待する傾向にあります。

このように、バイデン新大統領の登場により、米国の政策は大きく変わるものと予想されます。特に代替エネルギー、電気自動車などは、引き続き注目を集める可能性があります。

令和2年12月2日 ニューフロンティアはどこか

おはようございます。現代におけるニューフロンティアはどこでしょうか。

1. 景気先行指数

日本では、景気の状況を示す指数として、3種類、28個の指数があります。3種類とは、先行指数、一致指数、遅行指数です。一致指数には企業の利益・生産、求人倍率などがあります。遅刻指数には、法人税収入や消費者物価指数などがあります。

一方、先行指数には機械受注、新規求人数などがあります。先行指数は、経済、株価、業績の予想などに用いられます。相場の世界ではよく「株価のことは株価に聞け」と言われますが、株価の動き自体が将来を予想しているという面があります。

では、株価自体の予想はどのようにすればいいのでしょうか。株価の動きは、先行指数にかなり一致していると見ることもできるので、先行指数を見ているだけで株価の予想ができるわけでもありません。

では、株価の予想はどのようにすればいいのでしょうか。

2. 「スマート・カンパニー50」

次に、MIT(マサーチューセッツ工科大学)は、2017年に「スマート・カンパニー50」を選定(図表1参照)。正確に言うとMITの所有会社が発行しているテクノロジー系の雑誌「MITテクノロジーレビュー」で発表されたものです。MITは技術系の大学では最高峰の1つですので、発表された銘柄は、高い技術を持っていると考えていいでしょう。

エヌビディアがトップになったことについては、驚きはありませんが、続く2位のスペースXについてはやや意外感があります。先日独自のロケットを発射したばかりであり、利益が出るのはまだ当分先であると思われます。

バイデン氏が獲得して選挙人がトランプ大統領のそれを大幅に上回っていたものの、大統領は敗北を認めていません。ただ、政権移行の手続きが開始されることとなり、政治の不透明感が後退し、市場がそれを好感しました。

 図表1 MITが選んでトップ10企業

また、国別で見ると、米国が圧倒的であり、続いて中国。この両国が軍事、貿易、技術など様々な分野で競っていることがうかがえます。

因みに、「スマート・カンパニー50」には、日本企業は1社も含まれていません。世界の時価総額、つまり株価*発行済み株式総数ではトヨタが10月末で49位。但トヨタは今年7月末には上位50位から滑り落ちていました。

また、上位10位以内には、バイオ関連も多く含まれています。したがって、今後は半導体、宇宙関連、バイオなどが先端の技術として注目されるかもしれません。

雇用な先端技術がニューフロンティア(新たな開拓線)であり、上記のような企業が今後、注目される可能性が有ります。日本企業はこれらの先端技術で遅れています。ITあるいはDX関連なども、米国、あるいは中国の企業に注目する必要があると言えるでしょう。

令和2年11月27日 NYダウ3万ドル到達

おはようございます。NYダウが初の3万ドル台に到達しました。

1. 米政権移行、ワクチン開発を好感

米国では24日のNY株式市場で、ダウ工業30種平均が史上初めて3万ドルの大台に乗りましたす(図表1参照)。米政権の意向作業が始まったこと、また新型コロナ・ウィルスのワクチンの認可が下りるとの期待感の高まりなどが、直接的な要因と考えられます。日本、欧州など主要市場の株価も軒並み上昇しており、世界的な株高の様相となっています。

24日のNYダウの終値は前日比+454.97ドルの30,046.24ドル。11月3日に行われた米大統領選で、バイデン氏が獲得して選挙人がトランプ大統領のそれを大幅に上回っていたものの、大統領は敗北を認めていません。ただ、政権移行の手続きが開始されることとなり、政治の不透明感が後退し、市場がそれを好感しました。

 図表1 NYダウ

2. 上位銘柄は大きく変化

また、上位銘柄も大きく変化。ダウが1万ドルに達したのは1999年3月でした。この時の時価総額上位はマイクロソフト、GE、ウォルマートなどが占めています。このうち、GEは現在、ダウ銘柄から外れています。(図表2参照)。また、ファイザー、エクソンモービルも今年8月31日にはダウから除外されました。



 図表2 ダウ平均節目の時価総額上位銘柄

これらのいわば古き良き時代の米国を代表する銘柄に代わって、現在の主役となっている銘柄がアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、フェイスブックなどのIT銘柄。これらの銘柄は通商「GAFAM」と呼ばれており、時価総額の合計は日本の東証1部の時価総額の合計を上回っています。

「新型コロナ・ウィルスの感染拡大により、実体経済が必ずしも良くないのに、なぜ株価だけが上がるのか」との疑問が呈されることもあります。米国あるいは日本などのこのところの株価上昇は、ワクチンの開発などにより、コロナが収束した後の世界経済を反映していると見ることもできます。

また、NYダウが8月に新たにセールスフォースを採用したことに見られる通り、今後もDX(デジタル・トランスフォーメーション)関連が相場の中心となることも考えられます。日本でもこのところ、日経平均あるいはTOPIXが29年ぶりの高値更新となっています。但、構成銘柄、技術力、革新力などを考えると、日本よりも米国の株価の上昇の率が高くなる可能性もあります。さらに、投資家がこのところリスク・テイクの姿勢を強めていることから、出遅れているインドなど新興国の株式市場も活況を呈してくる可能性が有ります。

令和2年11月13日 格差は是正されるか

おはようございます。世界各地で反エリート主義、あるいは自国第一主義が目立ちますが、その背景賭して、各国における格差の拡大、それによる政治への不満、怒りがあると考えられます。今後、格差は是正されることになるのでしょうか。

1. 米大統領選でバイデン氏勝利宣言

米国では11月3日に米大統領選挙の投票が行われました。新型コロナ・ウィルスの感染閣外もあり、事前の投票は1億人を超えたと推定されています。郵便投票の主計を巡っては大混乱。トランプ大統領は「選挙に不正がある。主計を止めよ」などと根拠のない発言を繰り返しました。集計が進み、日本時間8日18人現在でバイデン元副大統領が選挙人290人を獲得。トランプ大統領が214人となり大差となりました。

今回の大統領選では、トラン支持対反トランプの動きが報道されてきましたが、根底には経済発展から取り残された人々の反発、不信、怒りなどがあったと考えられます。4年前の大統領選では、いわゆる「ラストベルト」と呼ばれる中西部の炭鉱、あるいは製造業猶が衰退した州において、トランプ氏が大きく支持を集め、同氏の当選への原動力になったと考えられます。

そこで、米国だけでなく、欧州、新興国などを含めて、格差はそもそもあるのか、それに対して政治は同抬頭するのか、ということが投資を行う上で重要な点になると考えられます。

2. 格差はあるのか、拡大してきたのか

そもそも格差はあるのか、また拡大してきたのか、という疑問があります。格差に関してよく言われるのが、エレファントカーブです。大和総研18年10月の資料を参考にさせて貰うと、ブランコ・ミラノヴッチ(2017)は、1988〜2008年の世帯1人あたり実質所得について、グローバルな所得格差を提示。世界の貧困層から超富裕層を所得階層別に左から横軸に並べ、88〜08年の実質所得の累積増加率を縦軸に示し、その推移が像のシルエットの二用に見えることにより、エレファントカーブと呼ばれます(図表1参照)。

 図表1 エレファントカーブ

つまり、図の右端のように、先進国のごく一部の超富裕層が所得を伸ばし、像の真ん中の背中の部分、即ち新興国の所得も増加。これに対して、OCED(経済協力開発機構)、即ち先進国の中間層、あるいは下位の所得層は所得が全く増加していないことがわかります。

今回の大統領選でも、こういった中間層あるいは下位の所得層の怒りが、米国の大きな分断の一因となった可能性があります。フランスにおいて嘗て盛んとなって「黄色のベスト運動」における中間層の反発も、根本的な問題は同様であると推察できます。

2.ジニ係数が上昇傾向

また、各国のジニ係数も上昇傾向にあります。ジニ係数とは、社会における所得の不病棟差を計測する指数。ローレンツ曲線を基に、1936年にイタリアの統計学者コッラド・ジニにより考案されました。

まず、米国のジニ係数を見ると、上昇傾向にあることがわかります(図表2参照)。

 図表2 米国ジニ係数

また、英国においても同様(図表3参照)。このほか、日本、ドイツなどでも拡大傾向にあり、フランスはほぼ横這いとなっています。北欧諸国などではあまり大きな上昇は見られないものの、世界全体としては拡大の傾向にあります。

 図表3 英国ジニ係数

3.所得格差拡大の要因分解

一方、所得格差の要因分解については、国際通貨基金(IMF、2007)は1981〜2003年までの先進21か国、新興国31か国の合計51か国のデータにより、グローバル化(輸出、対内外直接投資、関税自由化など)、技術革新、教育などの要因がジニ係数に与えた要因を分析。まず世界全体としては、グローバリゼーションの影響は小さく、技術革新の影響が大きいとしています(図表4参照)

 図表4 所得格差要因分解

次に先進国を見ると、グローバリゼーションの影響の方が技術革新よりも少し大きいとしています。は小さく、技術革新の影響が大きいとしています(図表4参照)。特に対内直接投資が所得格差拡大に寄与したとしています。

 図表5 所得格差要因分解(先進国)

続いて新興国を見ると、グローバリゼーションはマイナスの寄与であるとして、技術革新の影響が大きいとしています(図表5参照)。但、中国とインドを除く新興国の中には所得格差が安定している国もあり、全体としては、所得格差は緩やかな拡大にとどまっているとしています。

 図表6 所得格差要因分解(新興国)

4.所得格差は縮小するか

このように、世界全体としては、所得格差が拡大する傾向にあるものの、その要因は先進国と新興国で異なっており、更に、国によっても異なっています。したがって、政治がそれに対応するのは難しく今後も格差が拡大する可能性が有ると予想できます。

また、企業間格差も拡大する可能性があります。今年は2月以降、新型コロナ・ウィルスの感染拡大もあり、ハイテク企業、DX関連企業、巣ごもり関連企業などの銘柄が買われる傾向にあります。

米大統領選の結果を受けて、これらの銘柄への買い付けは一服する動きもありました。但、今後もDX(デジタル・トランスフォーメーション)の流れは変わらないとみられます。投資に当たっては、長期の視点が重要になると考えられます。

令和2年11月13日 米大統領選バイデン氏当選へ

米大統領選で、バイデン元副大統領が当選に大きく前進しました。

1. 米大統領選でバイデン氏勝利宣言

米国では11月3日に米大統領選挙の投票が行われました。新型コロナ・ウィルスの感染閣外もあり、事前の投票は1億人を超えたと推定されています。郵便投票の主計を巡っては大混乱。トランプ大統領は「選挙に不正がある。主計を止めよ」などと根拠のない発言を繰り返しました。集計が進み、日本時間8日18人現在でバイデン元副大統領が選挙人290人を獲得。トランプ大統領が214人となり大佐となりました。

今後、トランプ大統領は再集計を要求し、また法廷闘争も辞さない構え。例えば、ウィスコンシン州では、得票率が1%ポイント又は4000票以下であれば、再集計の申し立てができます。同州は、開票率99%時点で、得票率差は0.6%ポイントとなっています。

2. 米国株式市場の動き

ここ米国の株式市場の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるNYダウはバイデン元副大統領の当選を見越して上昇して、その後は一服(図表1参照)。
 図表1 米NYダウ

議会選においては、下院は引き続き民主党が多数を占める見込み。上院においては、ジョー氏ア州において、2議席が来年に決まる見込みであることなどから、現時点では、共和党、民主党とも過半数を占めるに至っていません。もし、50議席ずつで同数となれば、決選投票の時には、副大統領が一票を投じることになります。

令和2年11月2日 米大統領選の展望

おはようございます。当面の市場の注目点は、米大統領選です。

1. 米大統領選に注目

世界の株式市場の目下の注目点は、米大統領選であると言えるでしょう。現在、民主党候補のバイデン氏が現職のトランプ大統領に対して、全米では+8%ポイントほどのリードとなっています。但、毎回民主党、共和党のどちらの票田になるかが注目されるフロリダ、ウィスコンシンなどでは差はわずかであるとの報道もあり、予断を許しません。

外交面では、トランプ大統領が当選すれば、引き続き西欧など同盟国と重視、イスラエルを重視する政策を推進するとみられます。エネルギー産業については、パリ協定からの離脱、石油業界寄りの政策を継続するとみられます。

民主党のバイデン氏が当選すれば、程逆の動きとなると予想されます。エネルギーについては、パリ協定に復帰、代替エネルギーの推進などが予想されます。

2. 米国株式市場の動き

ここ米国の株式市場の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるNYダウはこのところ軟調な動き(図表1参照)。
 図表1 テスラ(TSLA)

上記の通り、大統領選において、民主党のバイデン氏、また共和党のトランプ大統領のいずれが勝利するか予断を許しません。但、大統領選終了とには、材料の出尽くし感から、株価が上昇する可能性もあります。

令和2年10月30日 時価総額の逆転

おはようございます。多くの業界で、時価総額の逆転、あるいは急接近が起きています。

1. テスラがトヨタを逆転

景気の動きを示す指標のうち、実体経済に先んじるものを先行指標と言います。日本の内閣府が発表するものの代表的な先行指数としては、東証株価指数、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度、日経商品指数などがあります。その意味において、株価は今後の経済を占ううえで重要な要素であるといえます。

最近話題になった例としては、日本のトヨタを米テスラモーターが逆転したことがあります。29日現在では、トヨタの時価総額が22.57兆円、テスラが(ティッカーコード:TSLA)が3,848億ドル、即ち1ドル=104.4円とすると40.17兆円です。

テスラがトヨタを時価総額で逆転したのは、7月1日で、このときテスラは2,076億ドル(約22兆円)2019年末比では約2.7倍となりました。現在、株価は406.02ドル(29日14時20分現在)で、7月初めから見ても既に約2倍になっています。

 図表1 テスラ(TSLA)

エネルギーで見ると、米再生エネルギーのネクステラ・エナジー(NEE)が、29日現在で時価総額1,458億ドル(約15.22兆円)、米石油大手のエクソン・モービル(XOM)が1,334億ドル(約13.93兆円)と逆転しています。

また、金融では、JPモルガン・チェースが時価総額2,942億ドル(約30.72兆円)に対して、ペイパルが2,256億ドル(約23.55兆円)と、接近しつつあります。

2. DX、環境重視へ

このように、自動車、エネルギー、金融、など多くの分野で株価の逆転現象が起きており、世の中の地殻変動が起こっていることがわかります。全体としては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展、環境の重視といったことが背景としてあります。

世の中のデジタル化が進むと、インターネットにおける決済、署名などが盛んとなり、従来の銀行業はその存続意義を問われることとなってきます。株価もそれを反映しています。

エネルギーの分野においては、パリ条約を初めとして脱二酸化炭素の方向に進みつつあり、従来の関裕産業などは厳しい立場に置かれています。逆に、電気自動車のテスラ、あるいは再生エネルギーの会社などは有望視されるこことなります。

世界全体がSDG(持続的可能な成長)を重視することとなり、企業経営においてはESG(環境、社会、企業統治)が重視され、銘柄選択もそれにより大きな影響を受けることとなります。今後は、これらの観点を重視して投資することがますます重要になってくるでしょう。

令和2年10月25日 いでや投資を始めては

おはようございます。徒然には「いでや、この世に生まれては」との章がありますが、投資をするにあたっては、望むこととは何でしょうか。

1. 徒然草における望ましいこと

「いでや、この世に生まれては」の章においては、「いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かめれ」としています。最初に「帝の御位」を挙げて、「法師ばかりうらやましからぬものはあらじ」とし、先ず、人々が地位を問題にしていると指摘しています。

続いて、容姿が重要であるとし、さらに「文の道、作文、和歌、管弦の道」の重要性を説き、最後には「下戸ならぬこそ、男はよけれ」としています。作者の意図としては、地位などの外見的なものよりも、内面的なもの、即ち教養が重要であると言いたかったのではないでしょうか。

これを投資に当てはめれば、投資をする目的は何なのか、一定の知識を持って投資をおこなっているのか、ということが重要になると言えるでしょう。

2. 投資の目的

では、投資を行っている人たちは、どのような目的で行っているのでしょうか。現在投資信託を保有している層で見ると、「老後の生活資金」50.1%、「資産のリスク分散」24.8%などと、優等生的な回答。但、「目的はないが資金を増やしたい」が18.0%と少し高いのが気になります。

一方、別の調査では、貯金の目的について聞くと、「いざという時の備え」が71%、そのうち「貯金だけ」という人が61%に上っています。日本人全体では、まだまだいざという時のために漠然と貯金する、あるいは保険にはいるという人が多数派であることが見て取れます。

 図表1 投資信託購入の目的

投資をする目的としては、「老後など将来に備えて資産を増やすため」といった目的が上位に来るのは当然であると言えるでしょう。それと同時に、「投資している企業を応援したい」「ESGなどを通じて、社会を変革したい」といった目的があってもいいのではないでしょうか。ESGについては、別に機会に述べたいと思います。

令和2年10月23日 日本は何位か

おはようございます。日本は世界で何位でしょうか。

1. 1人あたり名目GDP

「日本は世界で何位ですか」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。「世界3位に決まっているじゃないか」との答えもあるかもしれませんが、それは国の総額としてのGDP、即ち国内総生産になります。国力を図る尺度としてはある程度適当であるかもしれませんが、豊かさを図るには、1人当たりGDPも見ておく必要があります。

IMF(国際通貨基金)の2020年10月のデータによると、日本は25位で40,256ドル(図表1参照)。ちなみに1位はルクセンブルクで115,839ドル、2位はスイスで82,484ドルなど。因みに米国は65,254ドル。アジアでは、マカオが4位で79,251ドル、シンガポールが8位で65,234ドル、香港が16位で48,624ドルと、日本よりも上に来ています。

 図表1 1人当たり名目GDP順位(2019年)

2. 世帯当たり純資産では上位に食い込む

では、世帯当たり純資産ではどうでしょうか。OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表した「よりよい暮らし指標」による「世帯平均純資産」を見ましょう。当時の加盟国は36か国で、但この統計には18年7月加盟のリトアニアは含まず、未承認の南ア、ロシア、ブラジルは含まれています(図表2参照)。

日本は4位で40,256ドルと健闘(図表1参照)。ちなみに1位は米国で176,076ドル、2位はスイスで128,415ドル、3位はベルギーで104,084ドル。アジアでは、韓国が21位で33,405ドル。図表1の通り、所得に面では日本は後退しつつありますが、純資産(不動産を除く)では、まずまずの水準であると言えます。

 図表2 1世帯当たり純資産順位

3. 大学の順位

では、大学の順位についてはどうでしょうか。大学の評価機関としては、タイムズ・ハイアー・エデュケーション(Times Higher Education)が最も有名。9月3日に、「TEH世界大学ランキング2021」を発表。英国のオックスフォード大学が1位を維持したほか、英国では、順位を落としたもののケンブリッジ大学が6位に入りました。2位が米国のスタンフォード大学、3位が米国のハーバード大学など。

日本では、東京大学が36位タイとなったほか、京都大学が11位上昇して54位タイ。アジアからは、中国の清華大学が20位タイとなり、2011年に現在の評価方法に変更して以来初のトップ20入り。中国では復旦大学が70位にはいるなど、順位を上げつつあります。

 図表3 世界大学ランキング2021

4. その他の順位

そのほか、スイスのIMFが発表している国際競争力の順位などがあり、日本は後退する傾向にあります。また、世界の年金システムのランキングとしては、「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」があり、2019年度においては、1位がオランダ、2位がデンマークとなっており、日本は31位に留まりました。

こうした順位は、国際分散投資を行う上で参考になります。日本の1人当たりGDPが今後大幅に伸びるとは考えにくく、ますます資産運用の必要性が高まっていると言えるでしょう。

令和2年10月22日 グロース株優位継続か

おはようございます。世界の株式市場で、グロース株優位の展開が継続する可能性があります。

1. 米ナスダック市場が大幅上昇

2020年の世界の株式市場を振り返ると、1月には比較的堅調であったものの、2月以降、新型コロナ・ウィルス感染などにより、日米欧など先進国の株式市場は大幅下落。但、その後は米連邦準備理事会(FRB)などによる大幅金融緩和により、世界の株式市場は大きく持ち直しました。

中でも大きく上昇したのが米ナスダック市場。その主な銘柄で構成されるナスダック100指数は、米S&P100、あるいは日本のTOPIXなどを大幅に上回る上昇となりました(図表1参照)。

 図表1 国株式と日本株式相対推移(2019年10初=100)

米ナスダック市場が大幅に上昇したわけですが、その中でも代表的な銘柄で構成するナスダック100指数が大幅情報。同指数はITを中心として、いわゆるグロース株が中心となっています。

2. グロース株優位の展開継続か

上記の図表1はここ1年の動きですが、リーマン・ショック以降、バリュー株、即ちPER(株か収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標で見て割安な株式よりも、グロース株、つまり高い成長が期待される株式が相対的に大きく値上がりしています。

このところ、新型コロナ・ウィルス感染の影響により、一部の成長する株式と、それ以外の下落する株式の差が大きくなっています。例えば、米ズーム・コミュニケーション、あるいはテスラモーターが大幅に上昇する一方、BP、エクソンなど石油株は大幅に下落しました。当面、金融緩和が続く可能性が高いことから、このようなグロース株の優位は継続するものと予想されます。

令和2年10月18日 DX新時代

「DX」という言葉が最近よく聞かれますが、投資に当たってはDXをどのように考えるべきでしょうか。

1. 投資のテーマDX

最近、新聞、テレビ、インターネット、書籍などで、「DX」という言葉を聞くことが多くなりました。DX、即ちデジタルトランスフォーメーションとは、単なるデジタル化ではなく、「企業がデータやデジタル技術を活用して、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」と定義することができます。

DXとは、ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革することです。その目的は、「企業の競争融資性を確立すること」(経済産業省「DX推進ガイドラインVer.1.0(平成30年12月)であると言えます。

2. SaaS

その中でも、注目されているのがSaaS(サース)という技術です。SaaSとは、クラウド上によるソフトウェアを、ネット経由で使いたいときに使いたいだけ利用するための技術です。

SaaSの体表的な企業としては、セールスフォース・ドットコム(ティッカーコード:CRM)があります。同社の株価は、リーマンショック後に約55倍になりました。

 図表1 セールスフォース・ドットコム(CRM)

同社は法人向けのクラウド型CRM(顧客管理)ソリューションを提供し、業務アプリケーションをクラウド上で企業に提供。

20年5-7月期には、売上高が前年同期比3割増、最終利益が同29倍という驚異的な伸びを見せました。同社はこの程ダウ工業30種にも採用され、いわゆるGAFAM(グーグル、アップル、ファイスブック、アマゾン、マイクロソフト)を追いかける存在となっています。

猶、この資料は、特定の銘柄を推奨するためのものではなく、投資は自己責任で行っていただくようお願いします。

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12月11(金)に、セミナー「 長期投資の効果 」を開催します。奮ってご参加ください。

猶、詳しくは、こちらをご覧ください。

令和2年10月15日 投資の尺度

おはようございます。投資の尺度について考えてみましょう。

1. PER、PBRなどの尺度は有効か

従来の日本、あるいは世界の株式市場では、主にPER、あるいはPBRなどの指標が投資の尺度として用いられてきました。1989年ころの日本株市場では、東京湾沿岸に土地を持つ株などが高値まで買われ、PER、PBRなどで見て割高で七位かとの議論がありました。

PER(株価収益率)とは1株当たり利益の何倍まで株価が買われているかということであり、PBR(株価純資産倍率)とは、1株当たりの純資産の何倍迄買われているかということです。似たような尺度としては、PCFR(キャッシュフロー倍率)などもあります。すなわち、PER、PBRなどが高くなると割高であるとされ、逆に低いと割安である、株価が出遅れているとされてきました。

特に、こういった尺度は、同じ業界の株価を比較するときには有効であるとされてきました。例えば、電力であれば東電、中部電、関電をPER、PBRなどで比較します。電気機械であれば、同様に日立、東芝、三菱電機などを比較します。また、業種間の比較にも用いられてきました。

2. 自動車会社の時価総額

ここで、主要な自動車会社の時価総額を見ておきましょう。代表的な自動車会社として、トヨタ、フォルクスワーゲン、テスラモータを挙げました。トヨタとフォルクスワーゲンは自動車の生産で世界のトップレベルであり、テスラは電気自動車で優位にあります。

2020年には、米電機自動車メーカー大手のテスラモータの株価が一時2105億ドル(約22兆6000億円)となりました。日本市場の1日終値ベースで、トヨタは21兆7185兆円であり、テスラが時価総額でトップに躍り出ました。

 図表1 主な自動車会社の時価総額とPER

ここで、10月14日現在のトヨタ、VW、テスラの時価総額(株価*発行済み株式総数)を見ると、図表1の通り。テスラのPERは957.68倍で、トヨタの22.62倍、あるいはVWの14.07倍よりもはるかに高く、まさに天文学的な数字です。

テスラの株価が上がるたび、主要なアナリストは「株価が割高だ」と主張しました。しかし、同社の株価は上がり続け、ついに自動車業界のトップに躍り出ました。

テスラは、電気自動車生産台数ではトップであり、特に中国での伸びが期待されています。自動運転の技術も高く評価されています。そうなると、従来のPER、あるいはPBEという投資尺度が有効なのかどうか、再考する必要があると言えるでしょう。

 <ご報告>

10月9日(金)に、セミナー「 家計の見直し〜将来のリスクに備えましょう 」を開催。9名の方にご参加いただきました。

猶、詳しくは、こちらをご覧ください。

令和2年10月14日 投資つれづれ開始

兼好法師、即ち吉田兼好は、徒然草の冒頭で、

「つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」

日本には、素晴らし古典がたくさんありますが、この「徒然草」は、私の最も好きな古典の1つです。

そこで、兼好法師に肖って、私も気の赴くままに、主に投資について語っていこうと思います。

兼好法師の魅力は何でしょうか。それは矛盾した記述が多いことでしょう。矛盾により笑いが生まれます。

したがって、このコラムでも、矛盾したことを書くこともあるかもしれません。

題材、対象とする範囲は厳格には決めず、投資をする上で役立つ情報を提供しようと思います。 そして、「投資道」を確立し、読者の皆様の指針となることを目指していきます。