投資つれづれ

令和3年4月12日 男女平等指数、日本120位 

おはようございます。世界経済フォーラムで発表された「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は120位でした。

1. 特に政治での遅れ目立つ

世界経済フォーラム(WEF)は31日、男女平等がどれだけ実現できているかを数値にした「ジェンダー・ギャップ指数」を発表。調査した156か国のうち、日本は120位(図表1参照)。前回19年の121からは順位を1つ上げたものの、依然として低水準。政治参加などで遅れが目立っています。

調査は経済、教育、医療へのアクセス、青磁参加という4つの分野について、それぞれ分析、日本は教育格差が相対的に少なく、男女の健康に大きな格差がないことで、教育、医療へのアクセスについては90%以上の平等を達成。

一方、男女の所得格差、女性管理職や女性政治家の少なさが経済、青磁参加の点数を引き下げました。4項目合わせた達成率は65.6%。

 図表1 ジェンダー・ギャップ指数

3.日本はG7で最下位

日本の順位は主要7カ国(G7)で、最下位。韓国102位、中国107位よりも低く、ガーナ117位、ギニア118位、アンゴラ119位などに並んでいます。

男女平等の上位国は順に、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、ニュージーランド、スウェーデン等。欧州、特に北欧の国が目立ちます。いずれも達成率は80%を上回っています。東アジア、太平洋地域などは遅れが目立っています。

令和3年4月8日 ファミリーオフィスのアルケゴス破綻 

おはようございます。ファミリーオフィスのアルケゴス破綻が破綻しました。

1. ファミリーオフィスとは

ファミリーオフィス大手のアルケゴスが、追証(追加の証拠金)に応じられず、破綻。野村、クレディスイスなどが巨額の損失を計上することとなりました。リーマン・ショックから12年半近くが経過し、金融業界に対する規制がやや緩んでいたのかもしれません。

アルケゴスがデフォルトしたことから、ヘッジファンド全体に問題が及ぶのではないかとの観測もありました。一部の金融機関が損失を計上したものの、今のところ大きな問題には至っていません。

「ファミリーオフィス」とは、一定規模の資産を保有する同族及び一族を対象とした資産運用の組織です。米国では、3,000以上のファミリーオフィスが存在するとされます。富裕層向けのビジネスとしては、プライベートバンキングがありますが、それの更に大規模なものと言えます。

ファミリーオフィスは通常は、ヘッジファンドなどとは異なり、レバレッジを掛けない、つまり金融機関からの借り入れにより、元本を超えるポジションなどは取らないわけですが、「アルケゴス」を設立したビル・フアン氏は、もともとヘッジファンドのタイガー・マネジメント出身であり、大きなポジションを持っていたとされます。

2.金融界への影響

野村ホールディングスとクレディ・スイス・グループは29日、アルケゴス・キャピタル・マネジメントとの取引で、巨額の損失が発生する可能性が有るとしました。アルケゴスはタイガー・アジアの元運用担当者ビル・ホワン氏が設立したファンドで、野村は同社へのエクスポージャーが推定で約20億ドル(約2190億円)に上るとしています。クレディ・スイスは損失額について「数字で示すことは時期尚早」としています。

株価は損失発表後に大きく下落(図表1参照)。年初来高値は3月26日の721円ですが、4月6日終値は596円と大きく下落。

 図表1 野村証券

3.資産運用への示唆

今回の事件は、金融業界への影響というよりは、資産運用事態を問い直す機会になったと言えます。

アルケゴス・キャピタル・マネジメントは、約5倍のレバレッジを掛けていたと言われます。しかも、数銘柄に集中して投資しており、長期の分散投資という王道からは程遠いものとなっています。

また、富裕層も、プライベート・バンカーあるいはファミリーオフィスに運用を任せて、そもそもメットがあるのか問う疑問もあります。長期・国際分散・積立投資という基本に立ち返る必要があると言えるでしょう。

令和3年4月6日 野村総研が日本の富裕層133万世帯と推計 

おはようございます。野村総研が、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産が333兆円と推計しました。

1. 2017年推計より世帯数、金額ともに増加

野村総合研究所は、2019年10-11月に、全国の企業オーナー経営者を対象に「NRI富裕層アンケート調査」を実施。

預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い声明保険や年金保険等、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、総世帯を5つの階層に分類し、各々の世帯数と資産保有額を推計。

純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および動5億円以上の「超富裕層」を合わせると132.7万世帯。内訳は富裕層が124.0万世帯、超富裕層が8.7万世帯(図表1参照)。

 図表1 純金融資産保有額の階層別に見た保有資産規模と世帯数

富裕層と超富裕層を合わせた19年の世帯数は、2005年以降最も多かった2017年の合計世帯数126.7万世帯から6.0万世帯増加。富裕層・超富裕層の世帯数はいずれも、安倍政権の経済政策が始まった後の2013年以降、一貫した増加。

2. 富裕層・超富裕層の純金融資産訴額も増加が続く

17-19年に、富裕層及び超富裕層の純金融資産保有額は、それぞれ+9.3%(215兆円から236兆円)、15.6%(84兆円から97兆円)増加して、両者の合計額は+11.1%(215兆円から333兆円)に増加。

また、富裕層・超富裕層の純金融資産保有総額は、世帯数と同様、13年以降一貫して増加しています。

3.富裕層・超富裕層世帯増加の示唆

日本では、ここ20年ほどで国全体のGDPはほぼ横這いであり、勤労統計などでみた所得も減少傾向にあります。これは、先進国、主要な新興国全体の中で極めて特異な動きです。

一方、富裕層、超富裕層の世帯数は増加し、純金融資産の金額も一貫して増加。つまり、所得、資産の格差が拡大し、富裕層及び超富裕層は株式及び投資信託の時価総額増加の恩恵を受けていると推定できます。

つまり、ただ単に毎日漫然と働くだけでは純金融資産と増やすことはできず、したがって生活も改善しないものと考えられます。

令和3年4月3日 FIREを目指すべきか 

おはようございます。最近、若い人たちの中でFIREを目指す人たちがえてきました。そもそもFIREとは何か、どのように目指していけばよいのか考えてみましょう。

1. FIREとは

最近、FIREという言葉が流行語となっています。FIREとは、Financial Independence, Retire Early、即ち経済的自立、早期退職ということです。

従来の早期退職は、55-60歳くらいで、勤務している会社の業績が悪化して、退職金を上積みするから希望者は退職してくれと、いわば企業の都合で実施されるものが多かったと言えるでしょう。あるいは、自主的な退職の場合、離婚、介護などの都合で、大企業を自主的に退職する人も多くいました。

これらはいわば外的な要因で退職したものであり、私自身はある金融機関に嘗て勤務していましたが、早期退職の募集が4回ほどありました。同僚の中には退職してデイトレーダーになる人もありましたが、その後行き詰まる人もありました。

これに対して、FIREは長期的に計画を立てて、資産を拡大して、勤務先から自由になるという発想です。お金の為だけに働くのではなく、十分な資産の裏付けにより、経済的に自由になるという発想です。

現在政府や有識者の一部は、「75歳迄働こう」などと言っていますし、年金の支給開始年齢の引き上げ、支給額の減少といった事態が将来的に起こってくる可能性があります。したがって、仕事を辞めるかどうかは別にして、FIREを目指す理由はたぶんにあると言えるでしょう。

2. そもそもFIREは可能か

では、FIREはどのように実現することができるでしょうか。長期的な国際分散投資、積立が有効であると言えるでしょう。具体的なやり方などはセミナーなどでお話ししています。日本株だけでなく、世界の株などに分散投資する、また積立により、長期に行い時間分散も十分行い、リスクの低下を図る必要があります。

日本だけでなく、コロナ対策などで、各国の中央銀行は大幅な金融緩和を続けており、各国の株価が大幅上昇。

ここで、米国の株価の推移を見ておきましょう。米国の代表的な株価指数の1つであるS&P500指数の推移は図表1の通りここ1年で指数は2500から4000へと約+60%の大幅上昇。

 図表1 S&P500指数

米著名投資家のウォレン・バフェット氏は、株式市場の時価総額と国内総生産(GDP)を対比する「バフェット指数」により、株価の割高・割安を判断しています。同指数によると、米国、あるいは日本の株価は割高であるとも言えます。但、上記の通り空前の金余りの状況により、株高はある程度正当化できると見ることもできます。

日本の家計の金融資産は昨年12月末で過去最高にあるものの、単に現預金が増加しただけであり、株高の恩恵を十分に獲得できていません。日本では「貯蓄から投資へ」との提唱が過去からなされていますが、未だに十分な投資の姿勢が、個人には定着していないと言えます。

このように、米国の株価が大幅に上昇したことは、29日付け投資つれづれ「家計の金融資産過去最高」でご報告した通りです。もし、世界の株価、あるいは米国の株価が今後長期的に年率+8%程度で上昇するとすれば、長期的な資産の形成は十分可能です。逆に言えば、長期的に投資をおおなわなければ、FIREの達成はかなり難しいと言えます。投資家の皆様と共に、FIREの達成を目指していきたいと思います。

令和3年3月29日 家計の金融資産過去最高 

おはようございます。日銀の循環統計によると、12月末時点での家計が保有する金融資産は過去最高となりました。

1. 家計の金融資産1948兆円に

日銀が3月17日発表した昨年10-12月の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は、12月末時点で1948兆円となり、前年比+2.9%。現預金の増加が押し上げ要因となり、過去最高を記録。

家計の金融資産のうち、「現金・預金」は前年比+4.8%の1056兆円で、過去最高。新型コロナ・ウィルスの感染拡大により外出や消費が抑制され、現金、預金とも増加傾向。「株式等」は+0.7%の198兆円、「投資信託」は+5.1%の78兆円。

企業の金融資産も+6.2%の1275兆円で過去最高。「現金・預金」が+16.6%の311兆円で過去最高。「対外直接投資」も+7.3%の156兆円で過去最高。

2. 株価も大幅上昇

日本だけでなく、コロナ対策などで、各国の中央銀行は大幅な金融緩和を続けており、各国の株価が大幅上昇。

ここで、米国の株価の推移を見ておきましょう。米国の代表的な株価指数の1つであるS&P500指数の推移は図表1の通りここ1年で指数は2500から4000へと約+60%の大幅上昇。

 図表1 S&P500指数

米著名投資家のウォレン・バフェット氏は、株式市場の時価総額と国内総生産(GDP)を対比する「バフェット指数」により、株価の割高・割安を判断しています。同指数によると、米国、あるいは日本の株価は割高であるとも言えます。但、上記の通り空前の金余りの状況により、株高はある程度正当化できると見ることもできます。

日本の家計の金融資産は昨年12月末で過去最高にあるものの、単に現預金が増加しただけであり、株高の恩恵を十分に獲得できていません。日本では「貯蓄から投資へ」との提唱が過去からなされていますが、未だに十分な投資の姿勢が、個人には定着していないと言えます。

令和3年3月22日 ウォレン・バフェット氏株主への手紙 

おはようございます。著名投資家のウォレン・バフェット氏は、2月27日に、年に一度の「株主への手紙」を公開しました。

1. 米国への楽観的見方を継続

米著名投資家のウォレン・バフェット氏は2月27日、年に一度の「株主への手紙」を公開。新型コロナ・ウィルスの感染が続く中でも、米国、さらに自身が軽視するバークチャー・ハザウェイに対する強い期待は揺らいでいないとの自信を示唆。

バークシャーは昨年、3万1000人以上の人員を削減。それでも、バフェット氏は楽観的な見方を維持して、昨年は過去最高となる247億ドルの自社株買いを実施。自社の価値が過小評価されているとしました。

同氏は、米経済が「厳しい中断」を立てて、「息を呑むような」進歩を遂げる能力を持っていると称賛。「私たちのゆるぎない結論は、決して米国の敗北にかけてはならないということだ」としました。

2. バークシャー株価の推移

ここで、バークシャーの株価の推移を見ておきましょう。バークシャーB株の推移は図表1の通し。株価は2017年以降20年末迄順調に上昇。20年に入るとコロナ・ウィルス感染拡大などにより、急落。その後は順調に回復しました。

 図表1 バークシャーB株

以前は、同氏は「わからないものには投資しない」との姿勢で、GAFAMなどハイテク株への投資は否定的でした。その後、アップルなどハイテク株にも大幅に投資。ある程度ポートフォリオを柔軟に管理している様子がうかがえます。

投資のスタイルには、大きく分けてグロース(成長株戦略)とバリュー(割安株戦略)があると言われますが、同氏はバリューを重視している投資家として有名。昨年までは、グロース戦略優位の相場展開でしたが、ここにきて米長期金利が上昇。金利上昇局面においては、バリュー投資が相対的に有利になる可能性が有ります。その点からも、同氏の投資戦略には、注目したいところです。

令和3年3月14日 お金の為に働くか 

おはようございます。東日本大震災から10年。あらために命の尊さに気づかされる毎日と言えます。

さて、お金の為に働くか、あるいはお金が働いているでしょうか。

1. 日本の就労状況

何のために働くか、ということの前に、日本の就労状況を見ておきましょう。まず、総務省統計局によると、日本の人口は令和3年2月1日現在で、1億2562万人で、前年同月比▲39万人(▲0.31%)。

続いて同省統計局の労働調査によると、21年1月の完全失業率は2.9%。就業者数は6637万人、前年同月比▲50万人。10か月連続の減少。

総人口が1億2562万人で、就業者数が6637万人。なんで失業率がわずか2.9%なのか、と思う人もいるでしょう。これは労働参加率によります。あくまで、労働市場に参加している人について、失業率を見るわけです。

2.何のためにはたらくのか

ともあれ、15-64歳に限ると、多くの人が働いているわけです。そもそも、何のために彼らは働いているのか。お金の為、あるいは生きがいの為でしょうか。

「そんなの、所得を得るために決まっているじゃないか。」との意見が聞こえてきそうです。しかし、お金が自分のために働いてくれるなら、その人たちは猶、働くのでしょうか。

ここで、「21世紀の資本」を書いた、トマ・ピケティ氏の主張を見ましょう。同氏によると「r>g」、即ちr:資本収益率はg:経済成長率よりも大きい、とのことです。

同氏によると、18世紀まで遡ってデータを調べると、「r」は5%程度であり、「g」は1-2%程度とのことです。

 写真1 トマ・ピケティ氏

即ち、資本によって得られる富、即ち資産運用によると見は、労働によって得られる富よりも早く成長するということです。つまり、資産を持っている人はますます裕福になり、労働によってのみ収入を得ている人は、相対的に裕福にならないということです。

石川啄木は、働けど働けど猶わが生活(暮らし)楽にならざりぢっと手を見る、と読みました。しかし、「働けど」という部分は経済学で見て正しいのか。単に働くだけでは、裕福にならないのは、当然と見るべきでしょう。

では、お金にどうやって働いてもらえばいいのか。別の機会に考えたいと思います。

令和3年3月3日 米長期金利が上昇 

おはようございます。3月3日はお雛祭りですね。気温も上がってきそうです。相場全体も春のように和やかになるといいですね。

さて、米国では、長期金利が上昇しました。

1. 米長期金利が一時1.6%台に上昇

2月25日の米債券市場では、10年国債利回りが急上昇して、一時1.6%台に乗りました(図表1参照)。米長期金利は2月に入って、景気回復期待を背景として、上昇ペースが加速。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が2月23日、24日の議会証言において、足下の長期金利動向に警戒感を示唆しなかったことから、上昇に弾みがついたものと思われます。

長期金利の急騰を受けた、2月23日の米主要株価指数は揃って下落。ダウ工業株30種平均は前日比▲559.85ドル(▲1.8%)、S&P500種株価指数は▲96.09ポイント(▲2.4%)。ハイテク株の比重の高いナスダック総合株価指数は同▲478.54ポイント(▲3.5%)。

 図表1 米10年国債利回り

2. 株式の物色動向に変化も

一般に、長期金利が上昇すると、ハイテクなどのグロース株が売られやすくなります。これまでは、いわゆるGAFAM(グーグル、アマゾン、フェースブック、アップル、マイクロソフト)などのハイテク株が買われてきましたが、今後はバリュー株が買われる可能性が有ります。

長期金利の水準が低いと、ハイテク株のバリュエーションの高さ、即ちPER、あるいはPBRなどの割高さがあまり気にされない傾向がありますが、今後はそれらの指標で見て、割高な株価敬遠される可能性が有ります。

令和3年3月1日 次のゴールドラッシュを考える 

おはようございます。米国では、嘗て19世紀後半にゴールドラッシュがありましたが、次のゴールドラッシュについて考えてみましょう。

1. ゴールドラッシュで儲かったのはどのような人たちか

19世紀後半の米国カリフォルニア州では、ゴールドラッシュが起こりました。狭義では1848年ころに米カリフォルニア州で発生したカリフォルニア・ゴールドラッシュを指しますが、ゴールドラッシュという言葉が現れたのは、1870年代半ば以降。ここでは、米カリフォルニアの例を考えてみましょう。

金を掘るために、多数の人がカリフォルニアに押しかけました。但、金を掘りに行った人が儲かったかというと、必ずしもそうではなく、それらの人日の生活必需品を提供した会社、例えばリーバイストラウスなどが巨額の利益を上げたと言われています。

 写真1 ゴールドラッシュの写真

2. 次のゴールドラッシュは何か

ゴールドラッシュにおいては、多くの人がカリフォルニア州に殺到したため、生活必需品、あるいは、採掘の道具などの需要が急に生じました。その後、アラスカ、豪州、ニュージーランドなどでもゴールドラッシュが発生しました。

では、今後にこのような大きな動きが起こる可能性が有るものは何でしょうか。電気自動車、5G、脱酸素などが候補に挙がるでしょう。

昨年大きく上昇した米国株の代表としては、テスラ(ティッカー:tsla)があります。1年間で約8倍と急上昇。同社を率いるイーロン・マスク氏は、一時世界のトップの富豪となりました。

今後は、電気自動車に使用する電池が焦点になってくる可能性が有ります。嘗ては、日本のパナソニックがリードしているとみられていましたが、ここにきて、米国、中国などの新興企業も対応。また、テスラ自身も電池への投資を加速。電池メーカーの中から、次のリーバイストラウスが生まれるかもしれません。