投資つれづれ

令和4年10月3日 1億総貧困化社会

おはようございます。日本の所得の低迷、貧困化が際立っています。6月にも日本の貧困化について述べましたが、再度日本社会の貧困化の現状を見ましょう。

1. OECDの中でも低い平均賃金

まず、各国の平均賃金を見ておきましょう。OECD(経済協力開発機構)によると、2020年を基準とする購買力平価によるOECD加盟各国の平均賃金は、トップの米国が69,395ドル。以下、アイルランド、ルクセンブルクと続きます(図表1参照)。

G7の中では、カナダ、ドイツ、英国と続き、日本は22位の38,515ドルでイタリアをやや上回る程度。OECDの平均以下です。1999-2019年では、日本がG7で最下位でした。

 図表1 米国OECDによる各国平均賃金(2020年)

2. 物価も上昇

一方、日本の総務省は9月20日に8月の消費者物価指数(CPI)を発表。8月の同総合は前年同月比+3.0%と、7月の+2.6%から加速。生鮮食品を除く総合も+2.81%と前月の+2.4%から加速。10月からは食品を中心として6000以上の品目で値上げが予定されており、今後は更に物価の上昇が顕著となっていくと予想されます。

 図表2 日本の消費者物価指数(CPI)

3. 大幅な円安が進行

一方、為替市場では大幅な円安が進行。実質実効為替レートでみると、円はここ20年間で160から80へと大幅に下落。下落幅はトルコ、アルゼンチンなどをうわまわり、主要国で最も下落した通貨となりました。

円の下落により、今後は更に物価が上昇し、また購買力も低下していくものと予想されます。スイスのビジネススクールのIMDが発表する国際競争力「IMF世界競争力年鑑」の2022年版によると日本の国際競争力は前年と同じで34位。過去最低水準にとどまっています。

今後も日本の国際競争力が低下し、物価上昇、賃金低迷が継続するものと予想されます。少子高齢化の進展により、労働力も不足。円の下落により、日本国内の賃金水準が低下しており、海外からの労働力の供給も期待できません。今後も、国際分散投資を推進することにより資産を形成し、老後の生活に備えるという以外に、対策の取りようがないのが現状であるといえるでしょう。

令和4年9月27日 老後破綻をどのようにして防ぐか

おはようございます。一時「下流老人」といった本が話題となり、昨今もいわゆる「老後資金2000万円問題」が折に触れ話題となっています。老後破綻を防ぐにはどのようにしたらよいでしょうか。

1. 65歳以上の1世帯当たり平均貯蓄額は約1276万円

まず、65歳以上の1世帯当たり平均貯蓄額を見ると、厚生労働省のデータによると、2019年に約1276万円となっています。いわゆる老後資金が2000万円は必要である、との議論の是非はさておき、平均でみると高齢世帯の貯蓄額はそれほど多くはないことがわかります。

60-69歳では1461万円、70歳以上では1233万円とやや減少。30−39歳で530万円、40-49歳で650万円と、若い世代も貯蓄が進んでいないことが伺えます。

 図表1 世帯主の年齢(10歳階級)別にみた1世帯当たり平均貯蓄額−平均借入額

2. 老後破綻を防ぐための方策

そもそも、高齢世帯の貯蓄もさほど多くないという実態を把握し、若い世代については、世界的な分散積み立て投資を継続する必要があります。

また、「65歳以降も働いて収入の減少、年金だけでは足りない部分の補うことに使用」との主張もよく見かけますが、そもそも高齢になって高い賃金を得られるような職業はあまりないと考えるべきでしょう。

まずは実態を把握し、長期的なライフプランを構築することが必要であるといえます。

令和4年9月17日 米8月CPI+8.3%

おはようございます。米国の8月消費者物価指数(CPI)上昇率が、減速しました。

1. 8月CPI+8.3%に減速

米労働省が10日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+8.5%と、伸び率は約40年ぶりの高い伸び率となった7月の同+8.5%から鈍化。市場予想は+8.1%から上振れ。

これについて大和証券チーフ・グローバル・ストラテジストの壁谷洋和維持は、「米消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を上回ったことで、米国のインフレはそう簡単には落ち着かないとの見方に投資家心理が傾いた。米連邦準備理事会(FRB)による金融日式目が、もう一段強化されるとの三かに市場の目線は上がってきている」として、「9月の連邦公開市場委員会(FOMC)に加えて、11月も+0.75%利上げとの見方が出ている。利上げの最終到達点についての市場の見方は、来年3月で4%を上回る水準へと、昨日1日で切りあがった」としました。

 図表1 米国CPI(前年同月比伸び)

2. リスク資産売り加速も

8月のCPI上昇率が市場予想を上回ったことにより、金融引き締めへの警戒感が広がっています。投資家は現金比率を高めつつあり、6月に続く「CPIショック」に投資家は身構えています。

投資家が保有する現金比率は7月時点と並ぶ6.1%に上昇。リーマン・ショックの時点を超えて、同時テロ直後の01年10月以来の高水準。長期的な平均である4.8%を大きく上回っています。

FRBがFRMCで0.75%あるいは1%の大幅引き上げに踏み切り、声明でも引き続き利上げの姿勢を見せれば、米国内の国債、高利回り社債への売り圧力継続(利回り上昇)、新興国からの資金流出に繋がる可能性があります。

令和4年9月14日 実質賃金4か月連続減少

おはようございます。日本では実質賃金4か月連続減少しました。

1. 実質賃金が減少

厚生労働省が6日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価上昇も影響を除いた実質賃金は、前年同月比▲1.3%と、4か月連続でマイナス。

基本給と残業代などを合わせた現金給与総額(名目賃金)は+1.8%伸びたものの、物価の伸びがこれを上回りました。

消費者物価指数は、7月には前年同月比+3.1%。4月以降、物価上昇率が名目賃金の増加を上回っています。

7月の現金給与総額は、労働者1人当たり平均で+1.8%の37万7809円と、7か月連続増加。基本給が中心の「所定内給与」は+1.2%、残業代を含む「所定外給与」は+4.7%。賞与など「特別に支払われた給与」は+2.8%。

2. 7月総合CPI+2.6%に加速

ここで、日本の物価の動きを見ておきましょう。総務省が8月19日発表した7月の消費者物価指数(総合)は、前年同月比+2.6%、生鮮食品を除く総合は+2.4%となりまし(図表1参照)た。総合指数は前月の+2.4%から加速、生鮮食品を除く総合も前月の+2.2%から加速しました。

 図表1 日本CPI(前年同月比伸び)

3. 日本の貧困化が進展か

日本は、米国、EU、英国などと比較すると物価上昇率が低いものの、賃金の伸び率も低くなっています。日本の生産が伸びず、消費の伸びず、賃金も伸びない最大の要因は、日本の生産性が停滞していることと考えられます。

企業は従来、消費者の離反を恐れて値上げを抑えてきましたが、それも限界を迎えつつあります。ガソリンなどのエネルギー、小麦、食用湯などの食品など、今後はかなり上がって栗可能性があります。

中央銀行の政策も、米連邦準備理事会(FRB)、ECB、英国中銀などが相次いで利上げしている状況で日銀だけが金融緩和を継続。各国の中銀の目標が、物価抑制にあるのに対して、日銀だけが物価上昇を目標としている有様。

このままいくと、日本では中産階級が没落し、日本の一人負けの傾向がますます強まるでしょう。円安、それに伴う物価上昇で、中産階級以下の暮らしは、ますます苦しくなるでしょう。1億総活躍社会どころか、1億総貧困化が進展するとみて間違いないでしょう。

令和4年9月13日 円の下落をどう見るべきか

おはようございます。円の主要通貨に対する下落が継続しています。これをどう見るべきでしょうか。

1. 円が大幅下落

円の下落が続いています。12日6時40分現在では、1ドル=142.65円近辺に動きとなっていますが、先週末には一時1ドル=144円台半ばまで円が下落しました。月足でみると、2021年1月には同104円台であったので、ここ1年半強の間に、円は対ドルで約▲40円も下落したことになります。

円安の原因については、米連邦準備委員会(FRB)がFFレートを引き揚げ、一方日銀は金融緩和を続けているため、日米の金利差が拡大した、それでドル高、円下落が加速したという論調が目立ちます。

確かに、日米の金利差拡大、日本の貿易赤字拡大、経常収支の赤字転落が短期的には主な原因であるといえます。只、円の実質実効為替レートはここ20年圏で約▲46%も下落しており、ただ単に日米の金利差だけが原因であるとは言えません。根本的には、日本の競争力の低下が原因であるといえるでしょう。

 図表1 米ドル/円

2. 日本の競争力が低下

一方、スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)は6月15日、「世界競争力ランキング2022」を発表。デンマークが順位を3位から上げて初の1位となりました。この5年間で6位、8位、2位、3位、1位と、着実に順をあげてきました。持続可能性の面で非常に高く評価されました。

とは言えません。根本的には、日本の競争力の低下が原因であるといえるでしょう。

 図表2 世界競争力ランキング

アジア勢ではシンガポールの3位が最高で、5位香港、7位台湾と、前年同様3か国・地域がトップ10入りしました。

日本は34位で、前年の31位から低下。「経済状況」20位(前年12位)、「政府の効率性」39位(前年41位)、「ビジネスの効率性」51位(前年48位)、「インフラ」22位(前年22位)などとなっています。

他方、英国の研究機関「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」が発表した「世界大学ランキング2022年」では、1位オックスフォード(英国)、2位カリフォルニア工科大学(米国)、2位ハーバード大学(米国)、4位スタンフォード大学(米国)、5位ケンブリッジ大学(英国)などとなっており、東京大額は35位にとどまりました。

そのほか、有意な科学の論文の数、教育の水準などの順位も軒並み低下。英語力については言うまでもありません。

このように日本の競争力は長期に低下の傾向にあります。短期的な為替の予想は非常に難しいものの、長期的に円が各国通貨に対して下落する可能性があります。それに備えるには、長期的な国際分散投資が有効であるといえます。

令和4年9月5日 孤独死にどう対処するか

おはようございます。日本では孤独死が増加する傾向にあります。どのように対処すべきでしょうか。

1. 孤独死の事例

私の従妹(いとこ、男性)の1人は、残念乍ら約2年前、亡くなりました。その方は一人暮らしで前年に母親、私からみれば叔母を亡くしています。叔母は当時約90歳、施設に入っており、晩年は認知症も進んでいました。

従妹は20年以上働いておらず、預貯金など金融資産も底をついていたものと推定されます。妻、兄弟、子供などの信金者はおらず、叔父もはるか昔に亡くなっているため、死亡後約1か月で発見されました。いわゆる孤独死です。

祖父が亡くなったのち、従妹は直径の孫ということもあり、かなりの資産を引き継ぎました。只、家の管理も全くしておらず、亡くなった時には荒れ放題。床から竹が突き出し、屋根、壁はボロボロという状態。

私を含めて彼の従妹は父方に8人いまして。母方の従妹も何人かいましたが、従妹は法律(民法)上、推定相続人とはなりません。

民法には特別縁故者という制度があり、民法は(1)被相続人と生計を同じくしていた者、(2)被相続人の療養看護に努めた者、(3)その他被相続人と特別の縁故にあった者と規定しています。

只、家、庭は広かったものの、管理状態は極めて悪く、金融資産は推定で殆どなく、かえって負債を背負い込むリスクもありますので、私も特別縁故者の申請をしませんでした。

2. 葬儀などの負担

本人がなくなる前、叔母が亡くなりましたが、お通夜をするのかと思って私が帰省したところ、急遽やらないという返事でした。仕方なくお布施だけを渡しかえることとなりました。後日聞くと、翌日には母方の従妹の援助により、葬儀だけは行ったと聞きました。

そして、叔母の死亡後約1年後に本人が死亡したわけです。従妹で葬儀を行おうとするものはおらず、私が葬儀を行うことにしました。費用が結構掛かりました。一部従妹には費用を負担してもらいましたが、上記の通り特別縁故者になったわけでもないので、すべて持ち出しです。死亡届などの手続き、お寺、火葬場などへの連絡も必要となります。結構な費用と時間がかかることとなりました。

3. 孤独死をその問題点

そもそも孤独死とは、一人暮らしの人が、誰にも看取られること無く、当人の自宅などで、生活中の突発的な疾病などによって死亡すること、であるといえます。

そして孤独死が発生すると、賃貸の場合、不動産価値の下落、遺族もしくは行政が行う死亡人の処理が大変、遺族に金銭的な負担が発生、といった問題が発生します。

私の従妹は自宅で亡くなったわけですが、賃貸の場合、貸している相手が孤独死すると処理に相当の費用が掛かります。老人に部屋を貸しがらない人が多い、1つの原因です。

4. 孤独死を避けるには

配偶者、兄弟、子供などがいない、孤立した人が今後も増加すると予想されます。孤独死を防ぐには、やはり日ごろ周りの人が気に掛ける必要があるでしょう。

周りの人がエンディングノートを書くように進めるのも1つの方法です。エンディングノートに連絡先があれば、葬儀などの時に関係者に連絡を取ることも容易となります。

また、死亡した際に、葬儀、お墓の設立、役所などへの届け出をどのようにするか、計画を立てることもできます。後見人などを設定して、託すことも可能になります。

そして、最終的には遺言の作成する必要があります。突然亡くなっても、資産がどこにどのようにあるかわからず、負債もあるかもしれないということでは、上記の通り誰も引き継ぐことができません。誰も対応しなければ行政が対応することになりますが、それでは社会全体に迷惑をかけているとみることもできます。

 写真1 エンディングノートの例

厚生労働省の研究機関である国立社会保障・人口問題研究所が発表している生涯未婚率は、2019年時点の最新のデータで男性23.37%、女性14.06%。只、国勢調査は5年に一度だけ実施されており、このデータは2015年時点に実施された国勢調査に基づいています。

今後も生涯未婚率が上昇し、孤独死が増加すると予想されます。孤独死を防ぎ、円滑な相続を行う必要があります。

下記の通り、10月13日にはYKKセミナー「相続について考えよう」を開催します。エンディングノート、遺言を含め、十分な相続の準備をしたいものです。

令和4年8月31日 投資信託売れ筋ランキング

おはようございます。日本の投資信託の過去1年間の売れ筋ランキングを見ましょう。

1. 米国ファンドなどが上位

過去1年間の国内投資信託の売れ筋ランキングを見ておきましょう。2021年8月から2022年7月の1年間で、売れ筋上位は1位が、アライアンス・バーンスタイン米国株式成長株投信D、2位が三菱UFJ国際eMAXIAXIim米国株式などとなっています(図表1参照)。6位以下では、6位楽天・全米株式院デックスファンドなど、やはり海外株式型が上位となっています。

 図表1 投資信託売れ筋ランキング(2021/08〜2022/07)

2. 貯蓄から投資へ、が実現するとどうなるか

日本の金融庁、或いは政府、自民党などは長らく「貯蓄から投資へ」を唱えていました。即ち日本においては伝統的に、個人の金融資産に占める預貯金の比率が5割以上と高く、米国あるいはEU諸国などと比較して、貯蓄に偏っているとされてきました。

預貯金の偏重により個人の金融資産の伸び率が米国、或いはEU諸国などについて見劣りすると金融庁が指摘。また、リスクマネーが産業界に投じられないことが、日本経済の一因であるとされてきました。

最近は若い人を中心としてNISAなどへの関心も高まり、投資信託などの積み立て投資も増加する傾向にあります。只、その投資対象は、図表1の通り、米国など海外株式が中心。政府などが目論む、日本の企業へのリスクマネーの提供とはならない可能性があります。

令和4年8月28日 世界各地で湖河川の水位が低下

おはようございます。世界各地で湖、河川などの水位が低下しています。

1. イタリアの湖で水位低下

イタリア北部にある同国最大の湖で、観光の人気も高いガルダ湖は、欧州各地が猛暑と少雨となっている中、15年ぶりの低水準。湖に突き出るシルミオーネ半島を取り囲む岩場が水面の上に現れています。

ガルダ湖の振興団体「ガルダ・ウニコ」のジャンルカ・ジネプロ氏は、例年この時期の平均水位は基準面から80-100cmで、現在は30cm程度。9.9cm迄低下した2007年以来の水準であるとしています。

 写真1 イタリア北部のガルダ湖

2. ライン川などの水位低下

一方、記録的な熱波に見舞われている欧州で、ライン川の水位が一段と低下しており、一部の船舶が航行できなくなり、物流に支障を来しています。

ドイツを流れるライン川の物流は完全に呈しているわけではないものの、水位の低下により、通常の4分の1しか貨物を積載できないため、荷主は4倍の料金を支払う必要に迫られています。

ライン川の物流を貨物、自動車などに代替させるのは難しく、ドイツの成長率押し下げの要因となる可能性があります。

欧州では、ドナウが、ルランスのロワール川など主要な河川の水位がいずれも著しく低下。各地で物流が滞っており、各国の成長率を下押しする可能性があります。

令和4年8月23日 老後資金2000万円問題はどうなったのか

おはようございます。一時騒がれた「老後資金2000万円問題」ですが、その後高齢者の方の状況は改善されたのでしょうか。

1. 老後資金2000万円問題とは

2019年に金融庁の金融審査会市場ワーキング・グループが提出した報告書により、「老後資金2000万円問題」が一時話題となりました。この報告書では、高齢社夫婦無職世帯の平均的な家計収支が記載されており、実収入が209,198円に対して、実支出が263,718円となっています。そのため、毎月54,520円が不足することとなり、老後を30年間と想定すると、約2,000万円を預貯金から取り崩すという計算になります。

65歳時点での金融資産は夫婦世帯において2,252万円となっているため、貯蓄を取り崩して生活することが予想されるとしています。

2. 実際に必要な生活費はいくらか

では、実際に必要な生活費はどれ位でしょうか。生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(令和元年度)によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均22.1万円(図表1参照)。分布では、」「20-25万円未満」が29.4%と最も多くなっています。

 図表1 老後の日常最低生活費

一方、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均14.0万となっています。その結果、「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した「ゆとりある老後生活費」は平均で36.1万円となるとしています(図表2参照)。なお、ゆとりのための上乗せ額の使途は、「旅行やレジャー」が最も多く、以下「趣味や教養」、「日常生活費の充実」と続いています。

 図表1 ゆとりある老後生活費

3. 実態はどうなのか

60歳以降の生活は人によってさまざまであり、東京など都市部と地方では生活費の水準にも違いがあると考えられます。

先日私はある友人と話していたところ、その方は半年ほど前に60歳で大手企業を退職し、その後は勤務していないそうです。まだ年金の受け取りはなく、毎月の生活費は概ね30万円程度とのこと。因みに首都圏に住んでいる方です。

単純に毎月30万円の生活費がかかるとすると、1年で360万円、年金の受け取りが開始となる65歳迄の生活費は約1,8000万円となります。

退職金などが入るにしても、60-65歳のいわゆる「年金の空白期間」において、第二の職場で働く、或いは雇用延長を行わないと厳しい現実が待っているかもしれません。働くだけでなく、どのように資産運用していくべきか、真剣に考える必要があるといえるでしょう。