投資つれづれ

令和2年10月25日 いでや投資を始めては

おはようございます。徒然には「いでや、この世に生まれては」との章がありますが、投資をするにあたっては、望むこととは何でしょうか。

1. 徒然草における望ましいこと

「いでや、この世に生まれては」の章においては、「いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かめれ」としています。最初に「帝の御位」を挙げて、「法師ばかりうらやましからぬものはあらじ」とし、先ず、人々が地位を問題にしていると指摘しています。

続いて、容姿が重要であるとし、さらに「文の道、作文、和歌、管弦の道」の重要性を説き、最後には「下戸ならぬこそ、男はよけれ」としています。作者の意図としては、地位などの外見的なものよりも、内面的なもの、即ち教養が重要であると言いたかったのではないでしょうか。

これを投資に当てはめれば、投資をする目的は何なのか、一定の知識を持って投資をおこなっているのか、ということが重要になると言えるでしょう。

2. 投資の目的

では、投資を行っている人たちは、どのような目的で行っているのでしょうか。現在投資信託を保有している層で見ると、「老後の生活資金」50.1%、「資産のリスク分散」24.8%などと、優等生的な回答。但、「目的はないが資金を増やしたい」が18.0%と少し高いのが気になります。

一方、別の調査では、貯金の目的について聞くと、「いざという時の備え」が71%、そのうち「貯金だけ」という人が61%に上っています。日本人全体では、まだまだいざという時のために漠然と貯金する、あるいは保険にはいるという人が多数派であることが見て取れます。

 図表1 投資信託購入の目的

投資をする目的としては、「老後など将来に備えて資産を増やすため」といった目的が上位に来るのは当然であると言えるでしょう。それと同時に、「投資している企業を応援したい」「ESGなどを通じて、社会を変革したい」といった目的があってもいいのではないでしょうか。ESGについては、別に機会に述べたいと思います。

令和2年10月23日 日本は何位か

おはようございます。日本は世界で何位でしょうか。

1. 1人あたり名目GDP

「日本は世界で何位ですか」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。「世界3位に決まっているじゃないか」との答えもあるかもしれませんが、それは国の総額としてのGDP、即ち国内総生産になります。国力を図る尺度としてはある程度適当であるかもしれませんが、豊かさを図るには、1人当たりGDPも見ておく必要があります。

IMF(国際通貨基金)の2020年10月のデータによると、日本は25位で40,256ドル(図表1参照)。ちなみに1位はルクセンブルクで115,839ドル、2位はスイスで82,484ドルなど。因みに米国は65,254ドル。アジアでは、マカオが4位で79,251ドル、シンガポールが8位で65,234ドル、香港が16位で48,624ドルと、日本よりも上に来ています。

 図表1 1人当たり名目GDP順位(2019年)

2. 世帯当たり純資産では上位に食い込む

では、世帯当たり純資産ではどうでしょうか。OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表した「よりよい暮らし指標」による「世帯平均純資産」を見ましょう。当時の加盟国は36か国で、但この統計には18年7月加盟のリトアニアは含まず、未承認の南ア、ロシア、ブラジルは含まれています(図表2参照)。

日本は4位で40,256ドルと健闘(図表1参照)。ちなみに1位は米国で176,076ドル、2位はスイスで128,415ドル、3位はベルギーで104,084ドル。アジアでは、韓国が21位で33,405ドル。図表1の通り、所得に面では日本は後退しつつありますが、純資産(不動産を除く)では、まずまずの水準であると言えます。

 図表2 1世帯当たり純資産順位

3. 大学の順位

では、大学の順位についてはどうでしょうか。大学の評価機関としては、タイムズ・ハイアー・エデュケーション(Times Higher Education)が最も有名。9月3日に、「TEH世界大学ランキング2021」を発表。英国のオックスフォード大学が1位を維持したほか、英国では、順位を落としたもののケンブリッジ大学が6位に入りました。2位が米国のスタンフォード大学、3位が米国のハーバード大学など。

日本では、東京大学が36位タイとなったほか、京都大学が11位上昇して54位タイ。アジアからは、中国の清華大学が20位タイとなり、2011年に現在の評価方法に変更して以来初のトップ20入り。中国では復旦大学が70位にはいるなど、順位を上げつつあります。

 図表3 世界大学ランキング2021

4. その他の順位

そのほか、スイスのIMFが発表している国際競争力の順位などがあり、日本は後退する傾向にあります。また、世界の年金システムのランキングとしては、「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」があり、2019年度においては、1位がオランダ、2位がデンマークとなっており、日本は31位に留まりました。

こうした順位は、国際分散投資を行う上で参考になります。日本の1人当たりGDPが今後大幅に伸びるとは考えにくく、ますます資産運用の必要性が高まっていると言えるでしょう。

令和2年10月22日 グロース株優位継続か

おはようございます。世界の株式市場で、グロース株優位の展開が継続する可能性があります。

1. 米ナスダック市場が大幅上昇

2020年の世界の株式市場を振り返ると、1月には比較的堅調であったものの、2月以降、新型コロナ・ウィルス感染などにより、日米欧など先進国の株式市場は大幅下落。但、その後は米連邦準備理事会(FRB)などによる大幅金融緩和により、世界の株式市場は大きく持ち直しました。

中でも大きく上昇したのが米ナスダック市場。その主な銘柄で構成されるナスダック100指数は、米S&P100、あるいは日本のTOPIXなどを大幅に上回る上昇となりました(図表1参照)。

 図表1 国株式と日本株式相対推移(2019年10初=100)

米ナスダック市場が大幅に上昇したわけですが、その中でも代表的な銘柄で構成するナスダック100指数が大幅情報。同指数はITを中心として、いわゆるグロース株が中心となっています。

2. グロース株優位の展開継続か

上記の図表1はここ1年の動きですが、リーマン・ショック以降、バリュー株、即ちPER(株か収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標で見て割安な株式よりも、グロース株、つまり高い成長が期待される株式が相対的に大きく値上がりしています。

このところ、新型コロナ・ウィルス感染の影響により、一部の成長する株式と、それ以外の下落する株式の差が大きくなっています。例えば、米ズーム・コミュニケーション、あるいはテスラモーターが大幅に上昇する一方、BP、エクソンなど石油株は大幅に下落しました。当面、金融緩和が続く可能性が高いことから、このようなグロース株の優位は継続するものと予想されます。

令和2年10月18日 DX新時代

「DX」という言葉が最近よく聞かれますが、投資に当たってはDXをどのように考えるべきでしょうか。

1. 投資のテーマDX

最近、新聞、テレビ、インターネット、書籍などで、「DX」という言葉を聞くことが多くなりました。DX、即ちデジタルトランスフォーメーションとは、単なるデジタル化ではなく、「企業がデータやデジタル技術を活用して、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」と定義することができます。

DXとは、ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革することです。その目的は、「企業の競争融資性を確立すること」(経済産業省「DX推進ガイドラインVer.1.0(平成30年12月)であると言えます。

2. SaaS

その中でも、注目されているのがSaaS(サース)という技術です。SaaSとは、クラウド上によるソフトウェアを、ネット経由で使いたいときに使いたいだけ利用するための技術です。

SaaSの体表的な企業としては、セールスフォース・ドットコム(ティッカーコード:CRM)があります。同社の株価は、リーマンショック後に約55倍になりました。

 図表1 セールスフォース・ドットコム(CRM)

同社は法人向けのクラウド型CRM(顧客管理)ソリューションを提供し、業務アプリケーションをクラウド上で企業に提供。

20年5-7月期には、売上高が前年同期比3割増、最終利益が同29倍という驚異的な伸びを見せました。同社はこの程ダウ工業30種にも採用され、いわゆるGAFAM(グーグル、アップル、ファイスブック、アマゾン、マイクロソフト)を追いかける存在となっています。

猶、この資料は、特定の銘柄を推奨するためのものではなく、投資は自己責任で行っていただくようお願いします。

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12月11(金)に、セミナー「 長期投資の効果 」を開催します。奮ってご参加ください。

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令和2年10月15日 投資の尺度

おはようございます。投資の尺度について考えてみましょう。

1. PER、PBRなどの尺度は有効か

従来の日本、あるいは世界の株式市場では、主にPER、あるいはPBRなどの指標が投資の尺度として用いられてきました。1989年ころの日本株市場では、東京湾沿岸に土地を持つ株などが高値まで買われ、PER、PBRなどで見て割高で七位かとの議論がありました。

PER(株価収益率)とは1株当たり利益の何倍まで株価が買われているかということであり、PBR(株価純資産倍率)とは、1株当たりの純資産の何倍迄買われているかということです。似たような尺度としては、PCFR(キャッシュフロー倍率)などもあります。すなわち、PER、PBRなどが高くなると割高であるとされ、逆に低いと割安である、株価が出遅れているとされてきました。

特に、こういった尺度は、同じ業界の株価を比較するときには有効であるとされてきました。例えば、電力であれば東電、中部電、関電をPER、PBRなどで比較します。電気機械であれば、同様に日立、東芝、三菱電機などを比較します。また、業種間の比較にも用いられてきました。

2. 自動車会社の時価総額

ここで、主要な自動車会社の時価総額を見ておきましょう。代表的な自動車会社として、トヨタ、フォルクスワーゲン、テスラモータを挙げました。トヨタとフォルクスワーゲンは自動車の生産で世界のトップレベルであり、テスラは電気自動車で優位にあります。

2020年には、米電機自動車メーカー大手のテスラモータの株価が一時2105億ドル(約22兆6000億円)となりました。日本市場の1日終値ベースで、トヨタは21兆7185兆円であり、テスラが時価総額でトップに躍り出ました。

 図表1 主な自動車会社の時価総額とPER

ここで、10月14日現在のトヨタ、VW、テスラの時価総額(株価*発行済み株式総数)を見ると、図表1の通り。テスラのPERは957.68倍で、トヨタの22.62倍、あるいはVWの14.07倍よりもはるかに高く、まさに天文学的な数字です。

テスラの株価が上がるたび、主要なアナリストは「株価が割高だ」と主張しました。しかし、同社の株価は上がり続け、ついに自動車業界のトップに躍り出ました。

テスラは、電気自動車生産台数ではトップであり、特に中国での伸びが期待されています。自動運転の技術も高く評価されています。そうなると、従来のPER、あるいはPBEという投資尺度が有効なのかどうか、再考する必要があると言えるでしょう。

 <ご報告>

10月9日(金)に、セミナー「 家計の見直し〜将来のリスクに備えましょう 」を開催。9名の方にご参加いただきました。

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令和2年10月14日 投資つれづれ開始

兼好法師、即ち吉田兼好は、徒然草の冒頭で、

「つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」

日本には、素晴らし古典がたくさんありますが、この「徒然草」は、私の最も好きな古典の1つです。

そこで、兼好法師に肖って、私も気の赴くままに、主に投資について語っていこうと思います。

兼好法師の魅力は何でしょうか。それは矛盾した記述が多いことでしょう。矛盾により笑いが生まれます。

したがって、このコラムでも、矛盾したことを書くこともあるかもしれません。

題材、対象とする範囲は厳格には決めず、投資をする上で役立つ情報を提供しようと思います。 そして、「投資道」を確立し、読者の皆様の指針となることを目指していきます。