投資つれづれ

令和2年11月27日 NYダウ3万ドル到達

おはようございます。NYダウが初の3万ドル台に到達しました。

1. 米政権移行、ワクチン開発を好感

米国では24日のNY株式市場で、ダウ工業30種平均が史上初めて3万ドルの大台に乗りましたす(図表1参照)。米政権の意向作業が始まったこと、また新型コロナ・ウィルスのワクチンの認可が下りるとの期待感の高まりなどが、直接的な要因と考えられます。日本、欧州など主要市場の株価も軒並み上昇しており、世界的な株高の様相となっています。

24日のNYダウの終値は前日比+454.97ドルの30,046.24ドル。11月3日に行われた米大統領選で、バイデン氏が獲得して選挙人がトランプ大統領のそれを大幅に上回っていたものの、大統領は敗北を認めていません。ただ、政権移行の手続きが開始されることとなり、政治の不透明感が後退し、市場がそれを好感しました。

 図表1 NYダウ

2. 上位銘柄は大きく変化

また、上位銘柄も大きく変化。ダウが1万ドルに達したのは1999年3月でした。この時の時価総額上位はマイクロソフト、GE、ウォルマートなどが占めています。このうち、GEは現在、ダウ銘柄から外れています。(図表2参照)。また、ファイザー、エクソンモービルも今年8月31日にはダウから除外されました。



 図表2 ダウ平均節目の時価総額上位銘柄

これらのいわば古き良き時代の米国を代表する銘柄に代わって、現在の主役となっている銘柄がアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、フェイスブックなどのIT銘柄。これらの銘柄は通商「GAFAM」と呼ばれており、時価総額の合計は日本の東証1部の時価総額の合計を上回っています。

「新型コロナ・ウィルスの感染拡大により、実体経済が必ずしも良くないのに、なぜ株価だけが上がるのか」との疑問が呈されることもあります。米国あるいは日本などのこのところの株価上昇は、ワクチンの開発などにより、コロナが収束した後の世界経済を反映していると見ることもできます。

また、NYダウが8月に新たにセールスフォースを採用したことに見られる通り、今後もDX(デジタル・トランスフォーメーション)関連が相場の中心となることも考えられます。日本でもこのところ、日経平均あるいはTOPIXが29年ぶりの高値更新となっています。但、構成銘柄、技術力、革新力などを考えると、日本よりも米国の株価の上昇の率が高くなる可能性もあります。さらに、投資家がこのところリスク・テイクの姿勢を強めていることから、出遅れているインドなど新興国の株式市場も活況を呈してくる可能性が有ります。

令和2年11月13日 格差は是正されるか

おはようございます。世界各地で反エリート主義、あるいは自国第一主義が目立ちますが、その背景賭して、各国における格差の拡大、それによる政治への不満、怒りがあると考えられます。今後、格差は是正されることになるのでしょうか。

1. 米大統領選でバイデン氏勝利宣言

米国では11月3日に米大統領選挙の投票が行われました。新型コロナ・ウィルスの感染閣外もあり、事前の投票は1億人を超えたと推定されています。郵便投票の主計を巡っては大混乱。トランプ大統領は「選挙に不正がある。主計を止めよ」などと根拠のない発言を繰り返しました。集計が進み、日本時間8日18人現在でバイデン元副大統領が選挙人290人を獲得。トランプ大統領が214人となり大差となりました。

今回の大統領選では、トラン支持対反トランプの動きが報道されてきましたが、根底には経済発展から取り残された人々の反発、不信、怒りなどがあったと考えられます。4年前の大統領選では、いわゆる「ラストベルト」と呼ばれる中西部の炭鉱、あるいは製造業猶が衰退した州において、トランプ氏が大きく支持を集め、同氏の当選への原動力になったと考えられます。

そこで、米国だけでなく、欧州、新興国などを含めて、格差はそもそもあるのか、それに対して政治は同抬頭するのか、ということが投資を行う上で重要な点になると考えられます。

2. 格差はあるのか、拡大してきたのか

そもそも格差はあるのか、また拡大してきたのか、という疑問があります。格差に関してよく言われるのが、エレファントカーブです。大和総研18年10月の資料を参考にさせて貰うと、ブランコ・ミラノヴッチ(2017)は、1988〜2008年の世帯1人あたり実質所得について、グローバルな所得格差を提示。世界の貧困層から超富裕層を所得階層別に左から横軸に並べ、88〜08年の実質所得の累積増加率を縦軸に示し、その推移が像のシルエットの二用に見えることにより、エレファントカーブと呼ばれます(図表1参照)。

 図表1 エレファントカーブ

つまり、図の右端のように、先進国のごく一部の超富裕層が所得を伸ばし、像の真ん中の背中の部分、即ち新興国の所得も増加。これに対して、OCED(経済協力開発機構)、即ち先進国の中間層、あるいは下位の所得層は所得が全く増加していないことがわかります。

今回の大統領選でも、こういった中間層あるいは下位の所得層の怒りが、米国の大きな分断の一因となった可能性があります。フランスにおいて嘗て盛んとなって「黄色のベスト運動」における中間層の反発も、根本的な問題は同様であると推察できます。

2.ジニ係数が上昇傾向

また、各国のジニ係数も上昇傾向にあります。ジニ係数とは、社会における所得の不病棟差を計測する指数。ローレンツ曲線を基に、1936年にイタリアの統計学者コッラド・ジニにより考案されました。

まず、米国のジニ係数を見ると、上昇傾向にあることがわかります(図表2参照)。

 図表2 米国ジニ係数

また、英国においても同様(図表3参照)。このほか、日本、ドイツなどでも拡大傾向にあり、フランスはほぼ横這いとなっています。北欧諸国などではあまり大きな上昇は見られないものの、世界全体としては拡大の傾向にあります。

 図表3 英国ジニ係数

3.所得格差拡大の要因分解

一方、所得格差の要因分解については、国際通貨基金(IMF、2007)は1981〜2003年までの先進21か国、新興国31か国の合計51か国のデータにより、グローバル化(輸出、対内外直接投資、関税自由化など)、技術革新、教育などの要因がジニ係数に与えた要因を分析。まず世界全体としては、グローバリゼーションの影響は小さく、技術革新の影響が大きいとしています(図表4参照)

 図表4 所得格差要因分解

次に先進国を見ると、グローバリゼーションの影響の方が技術革新よりも少し大きいとしています。は小さく、技術革新の影響が大きいとしています(図表4参照)。特に対内直接投資が所得格差拡大に寄与したとしています。

 図表5 所得格差要因分解(先進国)

続いて新興国を見ると、グローバリゼーションはマイナスの寄与であるとして、技術革新の影響が大きいとしています(図表5参照)。但、中国とインドを除く新興国の中には所得格差が安定している国もあり、全体としては、所得格差は緩やかな拡大にとどまっているとしています。

 図表6 所得格差要因分解(新興国)

4.所得格差は縮小するか

このように、世界全体としては、所得格差が拡大する傾向にあるものの、その要因は先進国と新興国で異なっており、更に、国によっても異なっています。したがって、政治がそれに対応するのは難しく今後も格差が拡大する可能性が有ると予想できます。

また、企業間格差も拡大する可能性があります。今年は2月以降、新型コロナ・ウィルスの感染拡大もあり、ハイテク企業、DX関連企業、巣ごもり関連企業などの銘柄が買われる傾向にあります。

米大統領選の結果を受けて、これらの銘柄への買い付けは一服する動きもありました。但、今後もDX(デジタル・トランスフォーメーション)の流れは変わらないとみられます。投資に当たっては、長期の視点が重要になると考えられます。

令和2年11月13日 米大統領選バイデン氏当選へ

米大統領選で、バイデン元副大統領が当選に大きく前進しました。

1. 米大統領選でバイデン氏勝利宣言

米国では11月3日に米大統領選挙の投票が行われました。新型コロナ・ウィルスの感染閣外もあり、事前の投票は1億人を超えたと推定されています。郵便投票の主計を巡っては大混乱。トランプ大統領は「選挙に不正がある。主計を止めよ」などと根拠のない発言を繰り返しました。集計が進み、日本時間8日18人現在でバイデン元副大統領が選挙人290人を獲得。トランプ大統領が214人となり大佐となりました。

今後、トランプ大統領は再集計を要求し、また法廷闘争も辞さない構え。例えば、ウィスコンシン州では、得票率が1%ポイント又は4000票以下であれば、再集計の申し立てができます。同州は、開票率99%時点で、得票率差は0.6%ポイントとなっています。

2. 米国株式市場の動き

ここ米国の株式市場の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるNYダウはバイデン元副大統領の当選を見越して上昇して、その後は一服(図表1参照)。
 図表1 米NYダウ

議会選においては、下院は引き続き民主党が多数を占める見込み。上院においては、ジョー氏ア州において、2議席が来年に決まる見込みであることなどから、現時点では、共和党、民主党とも過半数を占めるに至っていません。もし、50議席ずつで同数となれば、決選投票の時には、副大統領が一票を投じることになります。

令和2年11月2日 米大統領選の展望

おはようございます。当面の市場の注目点は、米大統領選です。

1. 米大統領選に注目

世界の株式市場の目下の注目点は、米大統領選であると言えるでしょう。現在、民主党候補のバイデン氏が現職のトランプ大統領に対して、全米では+8%ポイントほどのリードとなっています。但、毎回民主党、共和党のどちらの票田になるかが注目されるフロリダ、ウィスコンシンなどでは差はわずかであるとの報道もあり、予断を許しません。

外交面では、トランプ大統領が当選すれば、引き続き西欧など同盟国と重視、イスラエルを重視する政策を推進するとみられます。エネルギー産業については、パリ協定からの離脱、石油業界寄りの政策を継続するとみられます。

民主党のバイデン氏が当選すれば、程逆の動きとなると予想されます。エネルギーについては、パリ協定に復帰、代替エネルギーの推進などが予想されます。

2. 米国株式市場の動き

ここ米国の株式市場の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるNYダウはこのところ軟調な動き(図表1参照)。
 図表1 テスラ(TSLA)

上記の通り、大統領選において、民主党のバイデン氏、また共和党のトランプ大統領のいずれが勝利するか予断を許しません。但、大統領選終了とには、材料の出尽くし感から、株価が上昇する可能性もあります。

令和2年10月30日 時価総額の逆転

おはようございます。多くの業界で、時価総額の逆転、あるいは急接近が起きています。

1. テスラがトヨタを逆転

景気の動きを示す指標のうち、実体経済に先んじるものを先行指標と言います。日本の内閣府が発表するものの代表的な先行指数としては、東証株価指数、新規求人数、新設住宅着工床面積、消費者態度、日経商品指数などがあります。その意味において、株価は今後の経済を占ううえで重要な要素であるといえます。

最近話題になった例としては、日本のトヨタを米テスラモーターが逆転したことがあります。29日現在では、トヨタの時価総額が22.57兆円、テスラが(ティッカーコード:TSLA)が3,848億ドル、即ち1ドル=104.4円とすると40.17兆円です。

テスラがトヨタを時価総額で逆転したのは、7月1日で、このときテスラは2,076億ドル(約22兆円)2019年末比では約2.7倍となりました。現在、株価は406.02ドル(29日14時20分現在)で、7月初めから見ても既に約2倍になっています。

 図表1 テスラ(TSLA)

エネルギーで見ると、米再生エネルギーのネクステラ・エナジー(NEE)が、29日現在で時価総額1,458億ドル(約15.22兆円)、米石油大手のエクソン・モービル(XOM)が1,334億ドル(約13.93兆円)と逆転しています。

また、金融では、JPモルガン・チェースが時価総額2,942億ドル(約30.72兆円)に対して、ペイパルが2,256億ドル(約23.55兆円)と、接近しつつあります。

2. DX、環境重視へ

このように、自動車、エネルギー、金融、など多くの分野で株価の逆転現象が起きており、世の中の地殻変動が起こっていることがわかります。全体としては、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展、環境の重視といったことが背景としてあります。

世の中のデジタル化が進むと、インターネットにおける決済、署名などが盛んとなり、従来の銀行業はその存続意義を問われることとなってきます。株価もそれを反映しています。

エネルギーの分野においては、パリ条約を初めとして脱二酸化炭素の方向に進みつつあり、従来の関裕産業などは厳しい立場に置かれています。逆に、電気自動車のテスラ、あるいは再生エネルギーの会社などは有望視されるこことなります。

世界全体がSDG(持続的可能な成長)を重視することとなり、企業経営においてはESG(環境、社会、企業統治)が重視され、銘柄選択もそれにより大きな影響を受けることとなります。今後は、これらの観点を重視して投資することがますます重要になってくるでしょう。

令和2年10月25日 いでや投資を始めては

おはようございます。徒然には「いでや、この世に生まれては」との章がありますが、投資をするにあたっては、望むこととは何でしょうか。

1. 徒然草における望ましいこと

「いでや、この世に生まれては」の章においては、「いでや、この世に生まれては、願はしかるべきことこそ多かめれ」としています。最初に「帝の御位」を挙げて、「法師ばかりうらやましからぬものはあらじ」とし、先ず、人々が地位を問題にしていると指摘しています。

続いて、容姿が重要であるとし、さらに「文の道、作文、和歌、管弦の道」の重要性を説き、最後には「下戸ならぬこそ、男はよけれ」としています。作者の意図としては、地位などの外見的なものよりも、内面的なもの、即ち教養が重要であると言いたかったのではないでしょうか。

これを投資に当てはめれば、投資をする目的は何なのか、一定の知識を持って投資をおこなっているのか、ということが重要になると言えるでしょう。

2. 投資の目的

では、投資を行っている人たちは、どのような目的で行っているのでしょうか。現在投資信託を保有している層で見ると、「老後の生活資金」50.1%、「資産のリスク分散」24.8%などと、優等生的な回答。但、「目的はないが資金を増やしたい」が18.0%と少し高いのが気になります。

一方、別の調査では、貯金の目的について聞くと、「いざという時の備え」が71%、そのうち「貯金だけ」という人が61%に上っています。日本人全体では、まだまだいざという時のために漠然と貯金する、あるいは保険にはいるという人が多数派であることが見て取れます。

 図表1 投資信託購入の目的

投資をする目的としては、「老後など将来に備えて資産を増やすため」といった目的が上位に来るのは当然であると言えるでしょう。それと同時に、「投資している企業を応援したい」「ESGなどを通じて、社会を変革したい」といった目的があってもいいのではないでしょうか。ESGについては、別に機会に述べたいと思います。

令和2年10月23日 日本は何位か

おはようございます。日本は世界で何位でしょうか。

1. 1人あたり名目GDP

「日本は世界で何位ですか」と聞かれたら、どう答えるでしょうか。「世界3位に決まっているじゃないか」との答えもあるかもしれませんが、それは国の総額としてのGDP、即ち国内総生産になります。国力を図る尺度としてはある程度適当であるかもしれませんが、豊かさを図るには、1人当たりGDPも見ておく必要があります。

IMF(国際通貨基金)の2020年10月のデータによると、日本は25位で40,256ドル(図表1参照)。ちなみに1位はルクセンブルクで115,839ドル、2位はスイスで82,484ドルなど。因みに米国は65,254ドル。アジアでは、マカオが4位で79,251ドル、シンガポールが8位で65,234ドル、香港が16位で48,624ドルと、日本よりも上に来ています。

 図表1 1人当たり名目GDP順位(2019年)

2. 世帯当たり純資産では上位に食い込む

では、世帯当たり純資産ではどうでしょうか。OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表した「よりよい暮らし指標」による「世帯平均純資産」を見ましょう。当時の加盟国は36か国で、但この統計には18年7月加盟のリトアニアは含まず、未承認の南ア、ロシア、ブラジルは含まれています(図表2参照)。

日本は4位で40,256ドルと健闘(図表1参照)。ちなみに1位は米国で176,076ドル、2位はスイスで128,415ドル、3位はベルギーで104,084ドル。アジアでは、韓国が21位で33,405ドル。図表1の通り、所得に面では日本は後退しつつありますが、純資産(不動産を除く)では、まずまずの水準であると言えます。

 図表2 1世帯当たり純資産順位

3. 大学の順位

では、大学の順位についてはどうでしょうか。大学の評価機関としては、タイムズ・ハイアー・エデュケーション(Times Higher Education)が最も有名。9月3日に、「TEH世界大学ランキング2021」を発表。英国のオックスフォード大学が1位を維持したほか、英国では、順位を落としたもののケンブリッジ大学が6位に入りました。2位が米国のスタンフォード大学、3位が米国のハーバード大学など。

日本では、東京大学が36位タイとなったほか、京都大学が11位上昇して54位タイ。アジアからは、中国の清華大学が20位タイとなり、2011年に現在の評価方法に変更して以来初のトップ20入り。中国では復旦大学が70位にはいるなど、順位を上げつつあります。

 図表3 世界大学ランキング2021

4. その他の順位

そのほか、スイスのIMFが発表している国際競争力の順位などがあり、日本は後退する傾向にあります。また、世界の年金システムのランキングとしては、「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」があり、2019年度においては、1位がオランダ、2位がデンマークとなっており、日本は31位に留まりました。

こうした順位は、国際分散投資を行う上で参考になります。日本の1人当たりGDPが今後大幅に伸びるとは考えにくく、ますます資産運用の必要性が高まっていると言えるでしょう。

令和2年10月22日 グロース株優位継続か

おはようございます。世界の株式市場で、グロース株優位の展開が継続する可能性があります。

1. 米ナスダック市場が大幅上昇

2020年の世界の株式市場を振り返ると、1月には比較的堅調であったものの、2月以降、新型コロナ・ウィルス感染などにより、日米欧など先進国の株式市場は大幅下落。但、その後は米連邦準備理事会(FRB)などによる大幅金融緩和により、世界の株式市場は大きく持ち直しました。

中でも大きく上昇したのが米ナスダック市場。その主な銘柄で構成されるナスダック100指数は、米S&P100、あるいは日本のTOPIXなどを大幅に上回る上昇となりました(図表1参照)。

 図表1 国株式と日本株式相対推移(2019年10初=100)

米ナスダック市場が大幅に上昇したわけですが、その中でも代表的な銘柄で構成するナスダック100指数が大幅情報。同指数はITを中心として、いわゆるグロース株が中心となっています。

2. グロース株優位の展開継続か

上記の図表1はここ1年の動きですが、リーマン・ショック以降、バリュー株、即ちPER(株か収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの指標で見て割安な株式よりも、グロース株、つまり高い成長が期待される株式が相対的に大きく値上がりしています。

このところ、新型コロナ・ウィルス感染の影響により、一部の成長する株式と、それ以外の下落する株式の差が大きくなっています。例えば、米ズーム・コミュニケーション、あるいはテスラモーターが大幅に上昇する一方、BP、エクソンなど石油株は大幅に下落しました。当面、金融緩和が続く可能性が高いことから、このようなグロース株の優位は継続するものと予想されます。

令和2年10月18日 DX新時代

「DX」という言葉が最近よく聞かれますが、投資に当たってはDXをどのように考えるべきでしょうか。

1. 投資のテーマDX

最近、新聞、テレビ、インターネット、書籍などで、「DX」という言葉を聞くことが多くなりました。DX、即ちデジタルトランスフォーメーションとは、単なるデジタル化ではなく、「企業がデータやデジタル技術を活用して、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」と定義することができます。

DXとは、ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革することです。その目的は、「企業の競争融資性を確立すること」(経済産業省「DX推進ガイドラインVer.1.0(平成30年12月)であると言えます。

2. SaaS

その中でも、注目されているのがSaaS(サース)という技術です。SaaSとは、クラウド上によるソフトウェアを、ネット経由で使いたいときに使いたいだけ利用するための技術です。

SaaSの体表的な企業としては、セールスフォース・ドットコム(ティッカーコード:CRM)があります。同社の株価は、リーマンショック後に約55倍になりました。

 図表1 セールスフォース・ドットコム(CRM)

同社は法人向けのクラウド型CRM(顧客管理)ソリューションを提供し、業務アプリケーションをクラウド上で企業に提供。

20年5-7月期には、売上高が前年同期比3割増、最終利益が同29倍という驚異的な伸びを見せました。同社はこの程ダウ工業30種にも採用され、いわゆるGAFAM(グーグル、アップル、ファイスブック、アマゾン、マイクロソフト)を追いかける存在となっています。

猶、この資料は、特定の銘柄を推奨するためのものではなく、投資は自己責任で行っていただくようお願いします。

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令和2年10月15日 投資の尺度

おはようございます。投資の尺度について考えてみましょう。

1. PER、PBRなどの尺度は有効か

従来の日本、あるいは世界の株式市場では、主にPER、あるいはPBRなどの指標が投資の尺度として用いられてきました。1989年ころの日本株市場では、東京湾沿岸に土地を持つ株などが高値まで買われ、PER、PBRなどで見て割高で七位かとの議論がありました。

PER(株価収益率)とは1株当たり利益の何倍まで株価が買われているかということであり、PBR(株価純資産倍率)とは、1株当たりの純資産の何倍迄買われているかということです。似たような尺度としては、PCFR(キャッシュフロー倍率)などもあります。すなわち、PER、PBRなどが高くなると割高であるとされ、逆に低いと割安である、株価が出遅れているとされてきました。

特に、こういった尺度は、同じ業界の株価を比較するときには有効であるとされてきました。例えば、電力であれば東電、中部電、関電をPER、PBRなどで比較します。電気機械であれば、同様に日立、東芝、三菱電機などを比較します。また、業種間の比較にも用いられてきました。

2. 自動車会社の時価総額

ここで、主要な自動車会社の時価総額を見ておきましょう。代表的な自動車会社として、トヨタ、フォルクスワーゲン、テスラモータを挙げました。トヨタとフォルクスワーゲンは自動車の生産で世界のトップレベルであり、テスラは電気自動車で優位にあります。

2020年には、米電機自動車メーカー大手のテスラモータの株価が一時2105億ドル(約22兆6000億円)となりました。日本市場の1日終値ベースで、トヨタは21兆7185兆円であり、テスラが時価総額でトップに躍り出ました。

 図表1 主な自動車会社の時価総額とPER

ここで、10月14日現在のトヨタ、VW、テスラの時価総額(株価*発行済み株式総数)を見ると、図表1の通り。テスラのPERは957.68倍で、トヨタの22.62倍、あるいはVWの14.07倍よりもはるかに高く、まさに天文学的な数字です。

テスラの株価が上がるたび、主要なアナリストは「株価が割高だ」と主張しました。しかし、同社の株価は上がり続け、ついに自動車業界のトップに躍り出ました。

テスラは、電気自動車生産台数ではトップであり、特に中国での伸びが期待されています。自動運転の技術も高く評価されています。そうなると、従来のPER、あるいはPBEという投資尺度が有効なのかどうか、再考する必要があると言えるでしょう。

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10月9日(金)に、セミナー「 家計の見直し〜将来のリスクに備えましょう 」を開催。9名の方にご参加いただきました。

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令和2年10月14日 投資つれづれ開始

兼好法師、即ち吉田兼好は、徒然草の冒頭で、

「つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。」

日本には、素晴らし古典がたくさんありますが、この「徒然草」は、私の最も好きな古典の1つです。

そこで、兼好法師に肖って、私も気の赴くままに、主に投資について語っていこうと思います。

兼好法師の魅力は何でしょうか。それは矛盾した記述が多いことでしょう。矛盾により笑いが生まれます。

したがって、このコラムでも、矛盾したことを書くこともあるかもしれません。

題材、対象とする範囲は厳格には決めず、投資をする上で役立つ情報を提供しようと思います。 そして、「投資道」を確立し、読者の皆様の指針となることを目指していきます。